新書を読み倒す!① 仕事と家族

投稿日:2018年9月17日 更新日:

モンテです。

 

最近本格的に大学院への進学を悩み始めました。

学問から長いことは慣れてしまったので、少しずつ本を読んで、論点整理・自分の主張をまとめたいと思います。

ご指摘とかあると嬉しいですね。

 

基本的な構成は、

論点(本の主張と私の主張がぶつかる点)

→②本のあらすじ

→③その他忘れるには惜しいメモ

をまとめます。

長いんで太字とか黄色マーカーの部分だけでも…。

 

②以降は、本に興味を持てた人が読んでくださいな。

 

栄えある1冊目は、「仕事と家族 -日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか」 筒井淳也 中公新書 です。

 

この本のテーマはずばり「日本はなぜ少子化で働く女性も少ないのか」です。

 

仕事と家族 日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか (中公新書) [ 筒井淳也 ]

価格:842円

話が固いので、合間になんの脈絡もない旅行の写真をあげますね(笑)

今回はイタリアの写真です。

 

 

仕事と家族 論点

 

論点一.日本の出生率はなぜ低いのか?

金がないからだよ!!

そんな声が聞こえてきそうですが、もう少し掘り下げてみましょう(笑)

 

出生率と女性の労働率には正の相関があります。つまり、女性がたくさん働いている国ほど出生率が高いです。

これは、この意見は、この本の骨子にです。

つまり、ここでの答えは、日本の出生率の低さは、女性の労働率が低いからです。

日本では賃金の男女格差が広いです。例えば、課長・部長などの管理職はほとんど男性だし、平均所得も男性の方が高いです。

 

では、なぜなのか?

 

結論から言うと「大きな政府」にも「小さな政府」にも踏み出せなかった結果、出生力が下がってしまったのです。

大きな政府(福利厚生が手厚い)国が出生率高いのは何となくわかるのですが、「小さな政府」の出生率が高いのはなぜでしょう?

 

それぞれ、スウェーデンとアメリカのケースで見てみます。

 

論点に関係ない部分は大幅にカットしているので、悪しからず。

 

なんかわからないけどイタリアっぽい写真

 



スウェーデンのケース

 

・スウェーデンは大きな政府

・つまり、公務員が多いです

・しかも育児休暇なんかもばっちり保証されています

・つまり、スウェーデンでは公務員として女性をバンバン雇うことで女性労働率を上げるということに成功している国なんです

 

比較的わかりやすいと思います。

スウェーデンでは1970年代の経済成長が止まったころには、自殺率が高く「大きな政府」に舵を取らざるを得ませんでした。

大きな政府として社会的に不利な立場にあった女性の採用を支援する。その結果出生率も上がる。

 




なんとも北欧らしく納得いくロジックです。

 

問題は次です。

医療保険も整っていないアメリカで、なぜ出生率が高いのか?

 

アメリカのケース

 

・アメリカは自己完結の国です

・育児休暇もほとんどありません。

・そのため、育児休暇を取ろうもんならクビです

・クビになりたくないから、女性だろうと子供を産んだらすぐに職場復帰します

・そのため、企業も女性を雇うことにためらいがありません

・しかも、ベビーシッターが必要なので、その新しい雇用まで生み出しています

 

上の理由が、極端な「小さな政府の国」アメリカでも女性の労働率が高い理由です。

 

なるほど。いつでも働かなきゃいけなくて苦しそうだけど、逆に女性の雇用が増えているとは、なんと逆説的な…。

 

ベビーシッターに預けて早く預けないとクビになる社会。

資本主義や新自由主義を突き詰めるとこんなことになりますが、それでもアメリカのようになりたいですかねぇ…。

ナポリ・卵城からの眺め

 

日本のケース:女性推進活躍推進室の誕生

 

ご存知の通り、日本は出生率、それから女性の労働参画率も低いです。

 

一方で、日本でも女性が働くことを支援しようと、2012年に女性推進活躍推進法が制定されました。

 

筆者はここで2011年の東日本大震災を持ち出し、その復興に多くの労働力が必要になったから女性の労働力を活用しようとしたと述べています。

 

私は、ここには疑問です。

 

復興の人手不足を補うのに、1年で急に女性の労働力を採用しようとするか?

やはり、ここは少子高齢化に伴う労働力不足ととらえた方が自然ではないでしょうか?

前もって準備していたと私は考えます。

フィレンツェにも行ったよ!

論点二.権利獲得3要素について

 

ここで、一つ悩みました



女性の雇用機会均等を含むあらゆる、社会的不均衡は、経済的必要性がなければ解決しないのか?

 

つまり、「働く人が足りないから、あなたたちにも働く権利をあげるよ」としか社会は進まないのでしょうか?

そのあと、やっと色々な社会保障がされるのか…?(イギリスの労働法的なイメージ)など。

 

なんかこれではあまりにも救われない…。

すべてのトリガーは金なのか…?

 

この本では、権利を下の3要素に分類しています。

 

<権利の3要素>

経済的権利 … 労働市場で平等な機会を得る

政治的権利 … 政治に参画できる

社会的権利 … 働かなくても生活できる

 

つまり女性は経済的権利を得ることができていないと。

 

これには納得です。すっきりです。

この考えに出会えただけでも、この本を読んでよかったです。

 

さらに補足すると、私の意見としては、3つのステップと考えるのではなく

3つの権利は関連しつつもパラレルに獲得されていくものだと考えます。

(労働市場では男女不平等ながらも年金制度は男女問わずもらえるなど。)

 

ほかの本を読む時も、この3要素を常に意識して読むと視点が変わるかなと思いました。

 

今後少子化で労働力が減っていきます。

 

日本が社会を維持するには高齢者・移民・女性の労働参加が必須になっていくと考えています。それ以外の手段はないでしょう。

一体どの権利をどう保証していくのか。

移民の受け入れも世界的に大きく後れ、地方では過疎化で人が足りず一極集中している。

かなり大きな課題にも関わらず、日本政府はまだ対応が遅れているのではないか。

 

どう少子高齢化社会に対応するのか。

この3要素に分解して考える重要性を感じました。

ナポリには海鳥がたくさん

 



本のあらすじとメモ

 

ここから下はまとまり切っていないので、興味がある人だけどうぞ…。

気になるという人は第4章あたりがとっつきやすいかも。

 

<第一章 日本は今どこにいるのか>

■あらすじ

・日本と世界の出生率・女性の労働参画率を比較しつつ、その特徴を説明します。

・日本ではもともと農業という形で女性の労働力参加もとても多かった。

・日本の今の特徴は未婚化。

・1970年代に世界的に経済成長が鈍化し、アメリカ(小さな政府)・北欧(大きな政府)・日本型にシフトしていきます。

・日本型とは終身雇用を前提に人の配置転換で不景気を乗り切る+派遣法を制定し正社員と区別。不景気時に派遣の数を減らすことで企業の調整弁として活用することです(ひどい)。

■メモ

・日本では工業格差が広がるにつれて、子供と女の人権を守る
→男が稼ぎ手、女が家を守る風潮が根付く。
→どちらかが働き手・どちらかがハウスキーピングは当時の家族単位での生活上有利だった。
→今ではハウスキーピングをコンビニが果たしている

・大きな政府では、公務員の数がかなり多いため、女性の労働力も必須となった。

 

ただの道が絵になる…。

 

<第二章 なぜ出生率は低下したのか>

■あらすじ

・この章ではなぜ日本では結婚しなくなったのかを考える

・A:身に着けたスキルを活かしたい(これは否定される)
B:経済的に自立したため、満足のいかない結婚はしない
C:男性の所得見込みの低下

・筆者の考えはB。ただし、Cも捨てれない。
つまり未婚化の理由は、自分でもある程度稼げるようになったので、相手にも同程度を期待する(B)が、男性の所得見込みが下がったため結婚ではなく長く親元で暮らす選択をする(C)



■メモ

・筆者としての対策としては、若年男性雇用の充実、共働きなら両立支援などが有効ではないか。ただし児童手当などはいつでも有効。少子高齢化を考えると後者にすべきではないか。

<第三章 女性の社会進出と「日本的な働き方」>

■あらすじ

・社会構造と制度から見ていくことで日本的な働き方の問題点を洗い出す
→構造:人口や土地・風土など変えれないもの
→制度:法律・税制など人為的なもの

「日本的な働き方」とは、家事労働は女性の仕事を前提にしたまま、ハウスキーピングありきで働いてきた「男性的な働き方」を維持すること。
 →つまり、長時間残業や拒否できない転勤など。その結果、カップルのどちらかが譲歩しないと正社員でいられない。
→戦略上結婚が不要になったのではないか

■メモ

・日本の働き方は、職務内容、勤務地、労働時間無限定性。これらは共働きしにくさに影響している

・一般的に、一次産業期には農業で女性の労働進出が高いが、二次産業に進むにつれて男性に任せる戦略をとる。なぜなら力が必要だから。サービス産業化により戻ってくる。

・P87 日本:ベビーブームにより労働人口過多。東日本大震災のあと復興に人手が必要で労働力が減って女性推進室ができた

・P111 日本の無茶な働き方を支えてきたのは私生活のサポートがあったから。独身の場合はコンビニも準ずる。

・P120 一般職・総合職の間接差別。転勤できるか否かで給料が違うので男女差別には引っかからないが、実質そのようになっている。

なんかかわいい車

 

<第四章 お手本になる国はあるのか>

■あらすじ

・「大きな政府」にも「小さな政府」にも副次的な効果(デメリット)は存在する。それを理解したうえで日本の政策を決める必要がある。

・ここでは、両方のデメリットを語り、政策上何を考慮すべきか注意を促す

・例えば、スウェーデンでは高学歴女性がもっと稼げたはずなのに公的機関のため落ち着いてしまっていることで、事実上の男女の賃金格差が広がっている(社会的損失)。

■メモ

・P123 なぜノルウェーのような国ですら男女平等を罰則化しなければならなかったのか

・日本は極端な少子高齢化の中で、分厚い高齢者層をかつてないほど少ない人数で支える必要がある。女性・外国人・高齢者の参加がマスト。

・モノとサービスの違いは保存して運べるか。ケアサービスを工場で一斉に作っておくことはできない。そのため、技術の発展ではなく、単純な労働力の増加が必要。

きれいな夕日に心洗われる

 

<第五章 家族と格差のやっかいな関係>

■あらすじ

・仕事ではなく家事分担の側面から考える

・なぜ女性の方が世界的にも家事をしていることが多いのか

・しかもそれは日本が顕著

 

 




■メモ

・(労働の男女平等のためには)女性が長期的に生計維持に貢献できる体制、時間をある程度自由に設定できる柔軟で残業のない働き方、学校教育などにおける男性の家事トレーニング、それを通じた希望水準のある程度の共有
→希望水準 … 料理の味はこれくらいでいいや、部屋のきれいさはこれくらいでいいやなど
→このずれによって、女性がやってしまうことが多い

専業主婦が世帯格差を縮めていた
→貧乏でも共働きをすれば専業主婦家庭と同じ暮らしができた
→派遣により男女ともに不安定になった結果、男女正社員の家庭と男女派遣の世帯に大きな格差
→専業主婦を維持できない現在の状況がある

・家族労働は家族にしかないので利己的。むしろ金を稼ぐ方が利他的(=社会に対する貢献)。女性は利己的に生きるしかない状態(=家事)を強いられている

フィレンツェ!

 

次回の展望

 

今回の本で外国人労働者に興味を持ったので読んでみようと思います。

 

隣はなんとなく面白そうで買ってみました(笑)

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