マクロ経済学入門書として長いこと君臨している、中谷マクロ(中谷巌 入門マクロ経済 第5版)を自分なりにまとめてみました。
Part.2-Ch.4 所得はどのように決まるのか はここだけ抑えればOK!
重要ポイントだけ抽出
マクロ経済はここだけ覚えれば大丈夫!
な、まとめとして作りました。
参考
目次
所得はどのように決まるのか 概要
所得はどのように決まるのか の概要は下の通り
・短期の需給不一致の調整システムについて
・ケインジアン。モデルの基本
また、
大きく下のケースについて検討する
1.総需要>総供給
2.総需要=総供給 ・・・ バランスしているので扱わない
3.総需要<総供給
本題に入る前に知っておくこと
まずは、総需要とは何なのか、どのように決まるのかを理解する
おさらいですが
総需要(D) = 民間消費(C)+民間投資(I)+政府支出(G)+輸出入(NX)
です。(こちらを参照)
後半は置いといても、民間消費・民間投資・政府支出を計算します
投資っていうと株のイメージを持つけれど多分でっかい機械買うとかそういうのがメインだと思います。
働いてからこの辺はイメージしやすくなったな。
消費は可処分所得に依存する
・可処分所得とは、税金や社会保険料などを除き自分で使えるお金のこと
消費をC,所得をY,税金をT とすると
C=c0+c1(Y-T) ・・・ ①
c0は生きていくために必要な消費。食費とかね
税金が引かれまくっても金を使わないと生きていけない。
その数式が①ですね。
c1は消費性向と呼ばれます
つまり余裕のあるお金をどの程度使うです
例:月に10万円もらって7万円を使いがちな人の消費性向は0.7
投資の算出は難しい
ここは参考書の図を見た方がわかりやすです。P81あたり
文字で書くと
投資をするか否かの判断は利子率より収益を回収できるかどうかにかかっている
要は投資しても借り入れたお金よりも収益が低いならやる意味がないってこと。
したがって、”投資は限界効率と利子率が一致するところで決まる”
これを数式にしたもの
I=I(r) …②
ここからが本題
結論から言うと、総需要によって決定します
結局、これだけ。
これをケインズの有効需要の原理と呼ぶ
短期は価格ではなく数量調整でバランスするということを理解すればOK。
ではこの後はそれを数式に落としていきます
財政政策と乗数
前提を再掲します
総供給(Y) = 民間消費(C)+民間投資(I)+政府支出(G)+輸出入(NX)
需要=供給を考えるためにここでは供給のYに変えています
①より
Y=c0+c1(Y-T)+I+G+NX
これを変形して
Y=c0+c1*T+I+G+NX / (1-c1) …③
これが均衡している時の所得を表していることになります。
…は?
だから何?って感じなので、本書もまだまだ掘り下げています。
よかった。
労働市場はどうなっているのか
③は財市場が均衡していることだけを表している
この時に労働市場は一致していない可能性があります
じゃあ、その時に国の支出を増やすとすると、
Y=C+I+G+⊿G+NX …④
となる。⊿は増加分ね。
④-③から、
⊿Y=⊿G/(1-c1) …⑤
つまり政府が増やした分だけGDP=供給は増える(そりゃそうだ)
⑤を変形して
⊿Y/⊿G = 1/(1-c1)…⑥
ここまで来て意味が分からなかったけれど、この後の例でなんとなく理解できます
追加支出の例:c0=40兆円、c1=0.6、I=70兆円、G=80腸炎、NX=10兆円の時
均衡所得は③より
Y=200/1-0.6 =500兆円
そこに10兆円の追加融資をすると
⊿Y=210/1-0.6=525兆円
つまり、25兆円の経済効果を出したければ10兆円政府支出を増やせばいいということ
おお、なるほど。
例えば、道路作ったりすると、道路を作る会社に金が入って、労働者が食べるお弁当屋さんにお金が落ちて、お弁当屋さんがお野菜を買って…
そんなことをするうちに10兆円以上の効果が出るということか。ジョージアかなんかのCMであったよね。
(P90で同じことを説明しています)
それを計算できるのが
⑤で示した ⊿Y=⊿G/(1-c1)
これになるのか。
なるほど、ケインズやるやないか。
ちなみにこの時に10兆出して25兆円増えるので、
25/10=2.5増える。これを乗数と呼ぶ。(この2.5は下で出てくるので覚えておいて)
また、政府が投資が増えた時の、変数のことを外性変数と呼びます。
例えば、日銀が円安政策で輸出が増えた時も、NXが増えることになるので、外性変数NXに代わっただけ
なるほどね~
完全雇用を達成するために必要な追加的財政支出
・完全雇用GDPと総需要の差をデフレギャップと呼ぶ
→大きいほど深刻
対策として、政府支出(G)を増やす、減税(c1を増やす)、利子率を下げる(Iを増やす)
減税の例
Y=c0-c1*T-⊿c1*T+I+G+NX/1-c1
これより
⊿Y/⊿T = -c1/(1-c1)
つまり、⊿T減税すると、GDPはc1/(1-c1)だけ増大する
追加支出の例と現在の例を計算すると、
それぞれでの乗数値は2.5(さっきのやつ)と1.5になる。
つまり、国の政策としては減税よりも投資の方が効果が大きい