マクロ経済学入門書として長いこと君臨している、中谷マクロ(中谷巌 入門マクロ経済 第5版)を自分なりにまとめてみました。
Part.2-Ch.7 国際マクロ経済学 はここだけ抑えればOK!
重要ポイントだけ抽出
マクロ経済はここだけ覚えれば大丈夫!
な、まとめとして作りました。
参考
目次
国際マクロ経済学 概要
・対外取引はどのように記録・分類されるのか
・IS-LM分析に海外部門を含める
国際収支の構造と外国為替制度
国際収支は以下に分類される
■経常収支
〇貿易・サービス収支
◇貿易収支
・輸出
・輸入
◇サービス収支
〇所得収支
〇経常移転収支
■資本収支
〇投資収支
〇その他資本収支
■外貨準備増減
■誤差脱漏
また、経常収支黒字=資本収支赤字 になる
固定相場制から変動相場制への移行
ブレトンウッズ体制の崩壊と日本への影響
・ドル本位制のブレトンウッズ体制は、時代とともに現実に即さなくなり円やドイツマルクの価値が上がっていった
・その結果、日本は外貨準備する必要が出てきてドルを大量購入した
・つまり、円を市場に大量に放出させることにつながり、「狂乱物価」へとつながった
円高の影響
・田中角栄の「日本列島改造論」が狂乱物価にはくしゃをかける
・プラザ合意で1ドル120円台に急激に円高が進む → 円高不況
固定相場制と変動相場制の差
■固定相場制
・中央銀行は自国通貨と外国塚野需給バランスに対応する分の外貨をいつでも要求に応じて売買しなくてはならない
■変動相場制
・為替レートは外国為替市場で決定される
・中央銀行には売買に応じる義務がない
完全に市場だけで決まるものを「清潔な変動相場制(クリーン・フロート)」と呼ぶ
※ただし、ほとんどの場合中央銀行が介入する。
貿易の影響 財市場
S-I(民間貯蓄超過)=G-T(財政赤字)+NX(貿易・サービス収支黒字) …①
つまり、国民経済計算において、民間の貯蓄超過は、政府部門の投資超過(財政赤字)と海外部門の貯蓄超過(貿易黒字)に等しい
①を変形して
[S+T]ー[I+G](国内全体の貯蓄超過)=NX (貿易黒字) …②
貿易で黒字が出続けると、輸出企業は外国通貨から変えようとしない
→ 外国通貨や外国債券を購入する
→ 資本の流出を招く
マンデル・フレミング=モデル の準備
マンデル・フレミング=モデルは要はIS-LM分析に貿易の要素を取り込んだもの
そのためにまずは準備から。
財市場のおさらい(参照)
Y = C+I+G+NX
まずはNX(貿易)をもう少し細かく見ていく
・EXは輸出先の需要の大きさ(Yw)や為替(e)に影響される
EX = EX(Yw,e) … ③
・IMは為替レート(e)や自国の通貨に左右される(Y-T)
IM = IM(Y-T,e)… ④
ここから
NX = NX(Yw,Y-T,e)
と言える。
まあ、つまり輸出先と輸入先(自国)の景気、それからレートでNXが決まると
そらそうだろうな。
経済ってそらそうだろうなの積み重ね多いよな。
みんながそらそうだろうな、って言えるのを作るのはすごいか。
外国貿易乗数
C=c0+c1(Y-T)と同様に
IM=m0+m1(Y-T)
と仮定する。
この時
Y=c0+c1(Y-T)+I+G+EX-(m0+m1(Y-T))
となる。
これを変形して
Y=1/(1-c1+m1)*(I+G+EX+c2-m2) … ⑤
ここで輸出が増えたとすると
Y+⊿Y=1/(1-c1+m1)*(I+G+EX+⊿EX+c2-m2) … ⑥
つまり輸出が⊿EX分増えると、国内のGDPは
1/(1-c1+m1)*⊿EX 分増える。
したがって、外国貿易乗数は
1/(1-c1+m1)
となる
貿易の影響 貨幣市場
固定相場制の時
固定相場制では自国通貨のマネーサプライを強制的に増やさなくてはいけないときがある
従って、下の図でMは外性変数になりえず、内政変数である
M/P = L(Y,r) … ⑦
ただし、マネーサプライが増えても対策はある。
例えば、中央銀行は売りオペを実施してマネーサプライを減らすなど
こうした相殺のことを不胎化政策と呼ぶ
しかし、長期的には無理。
ちなみに、固定相場制の国はまだあるので学ぶ必要があるそうですよ。
変動相場制の時
⑦が成り立つ。
終わり
世界の利子率と国内の利子率
資本は常に利子率の低いところから高いところに動く
r=rw … ⑧
となる
つまり、世界の利子率と国内の利子率は一致する(ように動き続ける)
マンデル・フレミング=モデル
マンデル・フレミング=モデルは要はIS-LM分析に貿易の要素を取り込んだもの
固定相場制のマンデル・フレミング=モデル
基本
IS:Y=C(Y-T)+I(r)+G+NX(Y-T,Yw,e’) … ⑨
LM:M/P=L(Y,r)
r=rw
⑨でe’(為替レート)は固定値です。固定相場制だからね。
図が色々あるけど、
rがrwと比べて高いときは、LM曲線がrwの水準になるまで右にシフトする(マネーサプライ増加)
逆もしかり
財政効果の効果
IS政策で国内金利がrwより高くなる → マネーサプライが増える → 均衡する
固定相場制では財市場への財政政策は有効
もうこれだけ覚えればOK!(笑)
あとは表で覚えよう
金融政策の効果
LM政策でマネーサプライ増える → 金利が下がる → ISが増えるよりも先に資本の流出 → LMが元に戻る
固定相場制では貨幣市場への金融政策は無効
為替レート切り下げの効果
円高 → 輸出が増える → IS が増える → LMも引きずられる
固定相場制では為替レートを切り下げは有効
保守主義的な貿易政策の効果
関税などは有効
固定相場制まとめ
固定相場制ではIS曲線への働きかけだけが効果的
・財政政策 →〇有効
・金融政策 →×無効
・為替レート変更 →〇有効
・輸入制限(関税) →〇有効
変動相場制のマンデル・フレミング=モデル
上で出てきた式:
IS:Y=C(Y-T)+I(r)+G+NX(Y-T,Yw,e) … ④
LM:M/P=L(Y,r) … ⑦
r=rw … ⑧
これを使う。
基本
変動相場制ではeは変動する。
結局は、rがrwより高いときは
資本が流入して為替レートが高くなる = 輸入が増えてIS曲線が減少する
IS曲線に影響する。これが基本。
財政政策の効果
IS政策で国内金利がrwより高くなる → マネーサプライには影響しない → ISが戻ってくる
変動相場制では財市場への財政政策は無効
金融政策の効果
LM政策でマネーサプライ増える → 金利が下がる → ISが増えて均衡する
変動相場制では貨幣市場への金融政策は有効
為替レートの切り下げ
為替レートを引き下げると輸出は増えるが輸入が減る
つまり海外に不況を押し付ける → 失業の輸出
保守主義的な貿易政策
関税などはISを一時的に押し上げてまた戻ってくるので無効
変動相場制まとめ
変動相場制ではLM曲線への働きかけだけが効果的
・財政政策 →×無効
・金融政策 →〇有効
・為替レート変更 →失業の輸出
・輸入制限(関税) →×無効
メモ
なんか、固定相場制がLMに対して無効はわかるけど
変動相場制がLMに対して無効は分からん。
資本流入があるということはLMが増えることになりそうだけどなあ。。。
これはもう少し勉強しよう。
長かった!!
短期モデルはここまで!次回から長期モデル!