日本経済史 経済学

概説日本経済史試験対策ノート1 資本制社会論 

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概説日本経済史 三和良一 の試験対策ノートです。

資本制社会論

日本経済史 の勉強にどうぞ

 

 

資本制社会論  資本制社会の特徴 ~過去社会との比較から~

 

・資本制社会をそれ以前の(西欧)歴史社会と比較して、なぜ生産性が高いのか明らかにする

・資本制社会とは … 商品経済が経済生活の主軸になった社会のことを指す

・資本制社会の特質を3つの側面から見ていく

①共同体が解体した社会

②身分的支配のない社会

③「市場」軸に再生産を行う社会

 

共同体が解体した社会

共同体中心の社会

・近代以前は共同体が生活の中心

共同体:ここでは血縁や地縁で結ばれた集団

・原始時代には土地などは共同体所有だった → 徐々に私的所有が進む

・共同体は大きく以下に分類される

①原始的共同体

②アジア的共同体

③古典的共同体

④ゲルマン的(封建的)共同体

 

・ヨーロッパでは私的所有は進んでいたものの、三圃制農業では共有していた
 



 

 

・共同体の役割 ⇒ 生活の安定

・生産性の向上(規模の経済)

・相互扶助

⇒”平等”が大原則

 

商品経済と対立する共同体

・商品経済:「競争」

・共同体:「平等原則」

 

私的利用や利益のための生産活動は制限された

資本制社会では共同体が瓦解した社会という歴史的特徴がある

 

身分的支配のない社会

年貢が商品経済の邪魔をする

・封建制社会

年貢(封建地代)の要求

領主直轄地での労働(労働地代)

貨幣の要求(貨幣地代)

⇒生活のための生産活動のほかに、経済的剰余を作り出す必要があった

 

・商品経済へ移行するには農民に生活余剰が生まれて商品生産をする必要がある。しかし、それには封建制の年貢は邪魔。

・一方で、領主を主体とした商品経済はあった。(領主的商品経済

 

農民の生産性拡大により余剰が生まれる

・領主の地位が揺らぐため、身分的支配の再強化を図る

・上層農民を村落秩序維持に利用する

・絶対王政の誕生 ← 領主に土地を貸して小作料を取る(寄生地主)、排他的独占権を商人に与えるなど中央の力を強化

 

・身分から契約へ変化する

 

・現代だと労働力を提供している

 

市場を軸に再生産を行う社会

 

社会の再生産

・現代:市場での価格変動を起点に需要と供給の調整が行われている

・近代以前:自分たちの消費を考えるため個人の中で需給は完結している。あるいは共同体の中。

ここでは、個人のみならず領主の需要も含めて労働を供給して調整している

 

・産業革命によって自己消費的な産業から変移していく

 

資本制社会 経済成長の秘密

 

1.競争原則 ⇔ 平等原則

2.生産の社会的分業 ⇔ 共同体での自己消費

3.経済的余剰が資本家(企業)に入ること,貯蓄,投資 ⇔ 領主による余剰の消費

 

資本制社会 発展過程

  



 

形成期

・資本家と労働者という観点で見ていく

 

■資本家

・利潤を生みだす方法:①利子産み資本(銀行) ②商人資本(商社) ③産業資本家(製造業)

 

・高利貸や商人は昔からいたが、産業資本家は労働者がいないと誕生しない → 歴史は浅い

 

・マニュファクチュアが生まれる。

・マニュファクチュアでは労働力調達という壁にぶつかることになる

・マニュファクチュアと同時に問屋制家内工業がある → 商人が製品を作らせて販売する

※マニュファクチュアと問屋制家内は対立することもあるが後者の方が柔軟なため発展しやすい

 

⇒労働力不足という限界を打ち破るのが産業革命

 

確立期

 

産業革命誕生の要因

①国際貿易の拡大

②農村工業の発達

③農業革命(エンクロージャー、ノーフォーク輪作農法)

④消費慣習の変化(医療としての木綿の流行)

 

・木炭の枯渇により石炭が利用されるようになる

・石炭の採掘エネルギーが産出エネルギーを下回ることが条件

 

産業革命の歴史的意義

・市場

①マニュファクチュアでは突破できなかったレベルまで市場を拡大させた

②機械は熟練という技能的限界を打ち破って、不熟練労働者や女子・子供まで就労を可能とした

③機械は労働力供給の自然的限界(人口の限界)を労働節約型の技術開発により克服することを可能にした

 

変質期

資本主義の変質は資本家と労働者両面から見て取れる

 

・イギリス:個人企業

・アメリカ/ドイツ:株式会社

 

大企業の登場

 

・大企業が登場する

・次第に独占/寡占に入る

・国内市場では満足できず海外へと進出する

 

労働組合の登場

・労働組合の力が強くなる

 

第二の変質期

・第二の変質期の特徴

社会主義をはじめ、政府が市場の重要な一部と言えるほど肥大化した

 

第二次変質期

・第一次世界大戦後~第二次世界大戦後~高度成長期までに変質する

・第一次大戦はパックス=ブリタニカ → パックス=アメリカーナ に変容させた

 

・19世紀:生産財 20世紀:消費財

・消費財は見込みで作るので、大量生産方式が採用される(フォードシステム)

 

・社会主義の脅威も受け、資本主義は労働者・農民に対する融和政策を進めることとなった

・しかし、これらの政策は資本家の利潤を減らす結果となる

・そのため、利潤を増やすためにインフレを起こし、生産性向上の機会を与える(投資しやすくする)
 



 

 

第三の変質期

特徴

社会主義が倒れたことで福祉国家色が失われる → サッチャリズム、レーガニズム、新自由主義

 

・機会の均等は重視しても結果の平等は無視。財政赤字を理由に社会保障制度を引き下げる

 

 

 

 

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