経済学 経済政策

現代の経済政策テスト対策ノート2 現代経済政策の歴史的位置

投稿日:2019年4月28日 更新日:

現代の経済政策 田代洋一・萩原伸次郎・金澤史男

試験対策ノート

現代経済政策の歴史的位置

 

  



 

第2章 現代経済政策の歴史的位置

第一部 資本主義の発展と経済政策

 

1.資本主義の発展段階

資本主義の発展を 生成 → 確立 → 展開 と置く

・生成:資本の原始的蓄積の過程に対応した重商主義

・確立:産業革命を経て産業資本が確立する自由主義段階

・展開:大不況を経て金融資本または独占資本が確立する帝国主義段階の3段階

 

第一次大戦以降は国家の役割が大きくなる

→①第一次大戦から第二次大戦までの構造形成期

→②第二次大戦から石油危機までの持続的成長期

→③石油危機以降の構造転換期

 

2.重商主義の経済政策

・重商主義とは

… 貨幣を富の主要形態と考え、貿易黒字のために保護貿易を主張すること

・重商主義の時代とは?一般にイギリスでは、

… 16,17世紀の絶対王政の時代 → 17,18世紀の市民革命 → 18世紀後半の産業革命開始に至るまでの政策体系

 

・重商主義で資本蓄積を進めたのは商人資本や高利貸など前期的資本

・市民革命以前は貴族と手を結ぶ:絶対主義的重商主義

・市民革命以降は近代的地主と手を結ぶ:議会的重商主義

 

・重商主義の課題

①商業や海運業に独占的な市場を確保する植民制度と航海条例

②国内産業の保護貿易 → 関税

③貨幣信用におけるイングランド銀行の設立・国債制度の確立 → 植民制度の資金調達として活用

 

・近代的労働者の創出

・原始的資本の蓄積には労働力の売買必要がある

・エンクロージャー(第二次囲い込み)により強制的に創出

⇒資本主義は自生的形成されたのではなく、市民革命後の重商主義政策の中で生まれた

 

3.自由主義の経済政策

自由主義は重商主義政策への批判の中から始まった

例)アダム・スミス 「国富論」

本来国内に投下されるべき資本の動きをゆがめているとして、重商主義政策を批判

国家の役割は「国防・司法・公共土木事業・公共施設」に限定すべき

 

・自由貿易の実現過程(19世紀)

①地主・農業資本家の高利得を保証する穀物法の廃止

②ナポレオン戦争時の高関税を是正・その後の保護関税の廃止

③航海条例の廃止

⇒イギリスで小さな政府が完成(工場法・イングランドの中央銀行化など例外あり)

  



 

4.自由主義政策の2面性

・イギリスは植民地への自由貿易政策を採用を強制し、自国の圧倒的生産力を武器に他地域をイギリスの市場に変えていった

= パックス・ブリタニカ

 

・しかしパックス・ブリタニカは単なる経済による結果ではなく、中国/日本/トルコ/南米などへ軍事力で強引に進めた

 

・これらを自由貿易帝国主義と呼ぶ

 

5.帝国主義の経済政策

・工業の中心が綿から重工業へシフトする

・重工業では巨大な資本投下が必要 → 株式会社が主流となる

例)ドイツの石炭業独占・銀行との結束など

 

6.日本資本主義の確立と経済政策

生成:

・開港以来在来産業が打撃を受ける → 近代的労働者の発生

・殖産興業政策は政商資本の保護 → 財閥拡大の基盤

確立:

・官営八幡製鉄所など国家資本の投下

・財閥の成長

・紡績業・製糸業など糸に関連する産業が成長した

 

⇒日本では国家が重要な役割を果たし、早熟的な独占体系となった。自由主義は花開かず、資本主義の確立と帝国主義への移行とひとっ飛びになった。

 

第二部 現代資本主義の形成と経済政策

 

1.現代資本主義の形成

・現代資本主義とは

… WW1から直面する資本主義の体制の危機に対処して、国家が経済過程に深くかつ全面的に介入し、その体制維持のために組織化を高度に発達させた資本主義のことを指す

 

・現代資本主義成立の契機

①金融資本の蓄積は固定資本の巨大化をもたらし、他方で固定資本を温存するため資本の過剰化を生じさせ安定的な利益獲得が困難となった

②階級対立を激化させ、ロシア革命により資本主義否定が達成、植民地支配も行き詰る

 

・上記課題への対応

①財政政策による有効需要の創出

②労使協議などによる階級対立の緩和 → 福祉国家化を進める

⇒これらの対応には1.管理通貨制度への移行、2.国内均衡を目指す各国の経済政策を受け入れながらも壊滅的な対立を防ぐルールの2つが必要

 

2.ワイマール体制の成立

 

割愛
 



 

 

3.相対的安定期の国際関係

・ベルサイユ条約(1919年)、ワシントン条約(1921年)を通して平和を目指す

 

・ベルサイユ=ワシントン体制の特徴

①パックス=ブリタニカの崩壊、ロシア社会主義による離脱

②アメリカの主導権が確立

③半植民地の発言力が高まる

 

4.大恐慌からニューディール

・1929年10月24日

 

・さすがに国家介入をするニューディール政策

金本位制度の離脱、テネシー川渓谷開発公社(TVA)による公共事業、全国産業復興法(NIRA)、ワーグナー法(福祉政策)

 

5.ファシズムとブロック経済

・経済の組織化と国民的統合を突き詰めたファシズムの誕生

・失業問題を解決できない議会に代わり、ナチスが熱烈な支持を受ける

 

ニューディールもファシズムもいずれも国内均衡に注力したものであった。為替の切り下げ、関税など(自国内のみ)

 

第三部 現代資本主義の国際的確立と経済政策

 

1.パックス=アメリカーナの形成

・ブレトンウッズ体制の合意、IMF(国際通貨基金)が設立(1944)

・自由貿易のためにGATTが設立(1947)

・社会主義陣営に対抗したアメリカの大規模援助(例:ガリオア資金エロア資金などの対日援助)

 

2.巨大化した国家と経済政策

・世界大戦によりGNPにおける財政支出比率が増加、戦後もそのまま

・「総力戦」、「大恐慌」が中央政府の機能を拡大させた

・戦後はこれが福祉国家へとつながる

 

3.経済成長とケインズ政策

・資本主義は1960年代に黄金の60年代を迎える

・新しい資本主義の在り方が重要な役割を果たす

テーラー・システム導入による生産性の向上

IMF=GATT体制による自由貿易の促進

 

4.構造転換期の経済政策

・資本主義は構造転換を求められる

・1971年 ニクソン・ショック → 金=ドルの交換停止

・変動相場制への移行 スミソニアン協定

・さらに石油危機、国際的な労働力需要の超過、世界的インフレ、スタグフレーションにより構造転換を求められる

 

・ケインズ的政策ではスタグフレーションへ対応できないとして、小さな政府を目指す。マネタリズムの高揚

・一方社会主義も崩壊を迎え、資本主義社会への福祉国家化として一定の役割

 

5.資本主義の新たな段階への移行

・新たな段階へ移行した

①冷戦の終結 → アメリカの優位が拡大

②グローバル化 ⇒ グローバルでの競争激化

③先進資本主義国家の在り方が変容 → 福祉国家化

 

・これらの課題

①1国優位が進みすぎている

②資本主義の不安定性が激化

③先進国と途上国の格差の深刻化

 

 

 

-経済学, 経済政策

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