経済学 経済政策

現代の経済政策テスト対策ノート6 日本経済の展開と産業政策

投稿日:2019年5月2日 更新日:

現代の経済政策 田代洋一・萩原伸次郎・金澤史男

試験対策ノート

日本経済の展開と産業政策

 

日本経済の展開と産業政策

 

第一部 産業政策の概念と政策手段

 

1.資本制生産と産業政策

 

割愛

 

2.政策主体・政策手段とその変化

 

日本の産業政策を考えるうえで必要な要素

①アメリカの占領政策と対日政策の在り方

②敗戦占領下でも継続された日本独占資本復活の強固な意志

 

政策主体

・政界:財務省、経産省、中小企業庁、公正取引委員会、内閣府、厚生労働省 など

・産業界:日本経団連、労働組合。NPO、NGO など
 



 

 

3.グローバリゼーションと産業政策

 

グローバル化した現代では、国境を超えるため産業政策が国民経済と乖離することがある

例)

①現地組み立て・再輸入するオフショアなどはアメリカの貿易収支赤字を促進したが企業利潤は拡大した

②為替レートの変動は競争力の弱い産業の脱落を促す。日本では自動車産業に優位があるが、農業や中小企業に衰退がある。

 

⇒大企業への政策的サポートが中小企業への発注に繋がり雇用が拡大するという時代は終わっている

 

・日米交渉では、アメリカの一方的な要求の場となっており、それでも対等に競争できる多国籍企業は利益を十分に得るが国民経済の健全性と国民の安心は自由な市場競争と構造改革のスローガンのもと背景に追いやれれる。

 

第二部 戦後日本の産業発展と産業政策

 

1.戦後日本の復興と日米関係

戦後のGHQの政策

・財閥解体、独占禁止法制定、農地改革、労働基本権付与など

・一方で社会主義化を恐れ、アメリカの政策は「日本とドイツを2大工場として復興する」方向にシフトした

傾斜生産方式:石炭・鉄鋼の生産水準引き上げに集中する

・朝鮮戦争により、設備の更新などが進む

 

2.高度成長を支える産業政策

 

・1956年 もはや戦後ではない

・第一次科学技術白書 電力・鉄鋼業・機械4業種・化学工業は「およそ20年の遅れがある」ということで欧米からの技術導入

 

・1955年 日本生産性本部を設置
 



 

 

3.開放経済体制への移行と産業再編成

・1957~1958年 アメリカ 過剰生産恐慌 → 対外投資に振り向けられる、国内投資の激減

・多国籍企業の登場につながる

 

・1960年 日本政府は貿易・為替自由化大綱を閣議決定し、60年に40%であった貿易自由化率を3年間で80%に引き上げた

→ただし競争力の弱い産業の自由化を遅らせた(乗用車、大型工作機械、大容量火力発電機、電子機器、大型コンピューターなど)

 

特定産業振興臨時措置法 : フランスをお手本に、企業の大規模化のためには、民間だけに任せたのではダメで、政府が権力を持たずに民間と平等の立場で参加する、との官民協調の推進策。

→自由派の意見により承認されなかった。しかしこの後官民協調は進む

→例)合併が進む:神戸製鋼と尼崎製鉄、東洋紡と呉羽紡、日産とプリウス、石川島播磨と呉造船、三井化学と東洋高圧、日商と岩井、住友重工と浦賀ドック。そして八幡製鉄と富士製鉄の合併により新日本製鉄が誕生

※アメリカと対等に国際競争をするうえで大量生産・コストダウンが必要だった

 

 

4.中小企業基本法制定,量産体制確立と輸出の構造化

・大量生産のためには大企業だけではなく、資材・部品を提供する中小企業の設備投資や技術革新も必要だった

・中小企業は下請けが多く不公正な取引・中小企業に不利な取引が蔓延していた

・1963年 中小企業基本法、中小企業近代化促進法 の制定

・下請代金遅延等防止法の制定

 

・1965年 日本も過剰生産恐慌に陥る

→ 輸出市場の拡大が命題になる

→ アジア・オセアニアへの輸出から北米をターゲットに輸出するよう構造転換する

 

第三部 新自由主義の時代を補完する日本的生産方式

 

1.石油危機後の減量・合理化と日本的生産方式の確立

 

・1970年代以降 石油危機を契機として各国の不況が長期化

 
 



 

・スタグフレーションを経験

 

・日本は”減量経営”と称する合理化運動が進められ、日本的生産方式が確立した

・年功序列、終身雇用、企業内組合、系列・下請け関係

⇒「最高度に組織化された資本主義的合理化様式」の一形態

 

2.日本的生産方式の成立を支えるQWL運動とME化

・QWL:Quality of Working Life 、 労働生活の質を考える

フォードシステム的な非人間的な働き方いかにして回復するかが課題となる

 

・日本では経営者を挙げた合理化が進み、欧米(30~40%)に比べ大きく生産性向上となった(50~100%)

 

・また不況がひどい産業のカルテルが許された

・1960年代 ME化 マイクロ・エレクトロニクス化 が進んだ

 

3.欧米の不況 日本の輸出拡大と海外現地生産の展開

 

・1970年代後半 欧米では石油危機後の不況が長期化し、失業率も5~10%に達する大不況となる

 

・対米摩擦が深刻化する 「摩擦が発生するたびに日米関係が密接化する」

 

・国際貿易委員会(ITC)は石油価格上昇に伴う消費者の小型車化志向にアメリカ自動車産業が対応しなかったことに第一義的要因があるとしたが、日本メーカーは現実的な対応を迫られた。

例)日産の現地生産開始、トヨタ・GMの共同生産工場NUMMIの立ち上げなど

 

・現地生産による雇用の拡大を期待されたが、スクリュー・ドライバー方式 (=ネジとドライバーだけの簡単なお仕事)しか現地に回さず、批判の対象となった。

 

4.日米経済摩擦・円高開始とバブル経済

 

・1980年代 日本の貿易収支が空前の黒字を生み出した

・プラザ合意では円高が容認された
 



 

 

第四部 冷戦構造の終焉と日米経済戦争の敗北

 

1.冷戦構造の終焉とグローバル資本主義の成立

 

・ソ連は1970年代以降深刻な停滞に見舞われる。80年代になると計画経済が行き詰まりを見せた。

・ME技術革新への市場転換に完全に失敗した

 

・中国:1970年代から改革・解放の試行錯誤

・1992年 江沢民「社会主義市場経済」

 

2.日米構造協議・包括経済協議と日米経済関係の再編

 

・1990年の日米構造協議

①GNPの10%、430兆円の公共投資実行

②地域商店街の衰退を加速する大規模小売店舗法の規制緩和

③系列・下請け取引を含む「日本的取引慣行」の見直し、独禁法の緩和、土地税の見直しなど

 

・日米間の交渉はその後分野別協議(MOSS)に引き継がれるが、個別業界の利害を反映したアメリカ側からの一方的な対日要求が繰り返され、事実上それが容認され続けた。

 

・アメリカは1995年1ドル79円台という円高を背景に補修用部品の規制緩和・アメリカ部品の輸入拡大を迫るが、日本は拒否。

・各メーカーの自主計画という形で決着する

⇒自動車産業などは多国籍企業化が進み、グローバルな活動を展開するいしを示したが、海外展開についていけない中小企業は衰退を懸念した。

 

・以上の交渉過程は、10年に及ぶ「日米経済戦争の敗北」というだけでなく、きわめて強力な経済国家である日本が、改めてアメリカに対する深刻な従属的関係に落ちいたことを鮮明に示した。

 

3.バブル崩壊と円高・合理化 雇用と中小企業政策の転換

 

・バブル崩壊:日銀の金融引き締め開始、大蔵省の土地融資総量規制

以下の日本的経営の見直し

①雇用政策

・終身雇用型のエリート幹部社員

・自由に企業を移動しながら働く専門職種労働者

・個人の必要に応じて働く一般労働者

②中小企業政策

・海外移転を進める

・系列・下請け企業の選別と淘汰

・世界的な競争に巻き込まれるも具体的な育成計画なし

 

4.グローバルM&Aの展開と日本企業集団の解体

 

・1990年代の世界製造業の特徴は、M&Aの活発化

・海外企業からの買収も相次ぎ、国内11社体制の時代は終焉した

 

第五部 対米輸出依存型経済構造の成功と失敗

 

1.小泉構造改革を支持するアメリカ政府の「年次改革要望書」

・小泉内閣の政策は1993年のアメリカからの「年次改革要望書」の内容だった。

内容:郵政民営化、株式の時価評価、不良債権処理、医療制度改革、司法制度改革、公正取引委員会・独禁法改革、法科大学院の設置、労働者派遣法の改正、NTTへの独禁法適用、郵政公社への外資系保険会社の参入、建築基準法の改正など

 

・アメリカ会計制度上はどちらでもいいのにグローバル化の名目で、簿価方式ではなく時価方式を適用させられる

 

2.アメリカ依存の「日本の一人勝ち」と中小企業経営

・2000年代に入って日本の多国籍企業は好調な業績を迎える

・小泉内閣はグローバル企業に利益をもたらしたが、反面中小企業の倒産と派遣労働者の増加があった

 

・下請け関係が解消されたのではなく、単に大手企業に都合のいいように安くていいところに発注をかけれるようになった

 

3.アメリカ発金融恐慌と輸出依存型経済の崩壊

 

・東日本大震災で日本の資材が枯渇、98%を国内で部品調達しているアメリカでも操業停止が相次ぎ、日本部品の重要性が明らかになった

 

4.中国・インドの歴史的発展と東アジア共同体

 

・歴史的にみると先進諸国が過剰供給で停滞を余儀なくされ、途上国に資本投下されることで成長が進む

・日本は「いかに豊かに衰退するか」が課題ともいわれている

 

第六部 現代日本産業の課題

・TPP

・国内でも大企業は積極的 → グローバルで利益を上げることができる

 

リビジョニスト =対日政策見直し論者

 

 

 

 

 

 

 

 

-経済学, 経済政策

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