日本経済史 経済学

概説日本経済史試験対策ノート3 明治維新の経済史

投稿日:2019年5月3日 更新日:

概説日本経済史 三和良一 の試験対策ノートです。

明治維新の日本経済史

日本経済史 の勉強にどうぞ

 

 

明治維新の日本経済史

中央集権体制の確立

 

維新政府の誕生と財務状況

・1867年11月 大政奉還

・王政とはいえ実態は公卿・雄藩が政府中枢を構成した連合政権だった

・政府の是経済的基盤は幕府直轄領と没収所領からの年貢収入と貿易関税

・各藩は従来通り独自の半経営を続けていた

 

版籍奉還による統治の強化

・1869年 版籍奉還(朝廷に土地と人民を一度返却)

・藩主を知藩事とした

・藩高10%を知事家禄に、90%を公費と定め、公費の4.5%を海軍費の名目で政府に納入した

 

・また、諸藩の津留(移動の自由の制限)を禁止

・藩専売制の規制

 

・一方で、通商司を設置し為替会社通商会社のもとに全国的な商品流通を統制する政策を実施した
 



 

 

廃藩置県による統治の強化

 

・1871年 親兵(天皇の護衛兵)を武力的背景に廃藩置県を実行する

・藩主の領主権を否定し中央集権化を進めた

・政府は旧藩主に家禄支給を約束し、藩札の政府通貨との引き換えを条件に廃藩の混乱を防いだ

※当時諸藩の負債は合わせて7813万円、藩札は3855万円で、これを諸藩の収租額3430万円と比較すると危機的状況だったことがわかる。この財政状況が抵抗なく廃藩置県を進めることができた背景

 

封建的規制の廃止

 

四民平等

 

・士農工商を廃止し、華族・士族・平民の3つに分けた

・平民の苗字許可、士族の切り捨て御免の禁止、階級間での結婚許可、訴訟上の差別廃止

 

移転・職業の自由

■移動

・関所の廃止

 

■職業

・えた・非人の職業差別廃止、華士族の農工商営業許可、農民の商業営業の自由化

 

営業の自由

 

・株仲間解散令

 

土地所有権の確立

 

・はじめは維新政府も領主的規制を廃止したわけではなかった

・しかし、1871年(廃藩置県実施後、)田畑勝手作許可、1872年土地永代売買禁制を解除した

・これらは地租改正につながる。土地税を改める前に土地の使用権と処分権に対する領主権を廃止した

 

地租改正と秩禄処分

明治初期の財政状態 1867~1875

 

■歳入

・紙幣発行を含む例外歳入が多い(30%)

・通常歳入の中では地税が大きい(57.3%)

 

■歳出

・軍事費も大きいが(13%)

・諸禄・扶助金の支払いがその倍もある(26%)

 

地租改正の意義

※順番入れ替えて先に意義をまとめる

 

①旧貢租体系を廃止、近代的土地所有権の確立。特に以下の点が異なる。

・土地諸州者に課税後の収益が残ることを前提とした税率

・税額は一定期間固定されている

②現物納から地租納に代わる

・商品経済に農民を巻き込み農民層分解を促進させた

③地租改正によって、近代国家の安定した財政的基礎が確立された

④共同体の解体を促進した

・旧貢租の村請制(村の連帯責任)を廃止し個人単位の納税

 

旧貢租継承の問題点

 

・貢租が複雑

・政府が旧幕府から継承した貢租では、本年貢である本途物成と雑年貢である小物成など複雑だった

・藩ごとにバラバラ

・物納は売却する手間がかかっていた

・米価の変動で歳入額が変動する

 

==メモ==

会社が大きくなって仕組みが複雑だからリセットするのと似てるなあ

==
 



 

 

地租改正の実施 壬申地券の発行

 

・家禄と土地所有権を切り離す方向で地租改正を実施

・地価の2%を地租とする

・地方でも実施していくが、地券の交付は進まなかった。特に地価の確認が難問だった。

 

地租改正条例

・地券交付を待てず、地租改正委を実施

①土地調査を行って地価を決定する

②土地所有権者を確定して地券を配布する

③地価の3%を地租として貨幣で徴収する

 

・地租改正は1881年に完了する大事業だった

 

地租改正事業の実施

・そもそもの目的は旧貢租と同水準が達成できる必要がある

・地租額を3%とした以上、地価の決定には操作が必要だった

 

・地租が高すぎるため農民一揆なども激発し、1877年には2.5%に引き下げた

 

所有権者の確定

 

・明確な書類がない場合は国有地に編入された

・割地制度(共有地の定期的割替・くじ替え制)に対しては個人所有できるよう分割が指示される
→「一地一主」は共同体の解体が促進した

 

秩禄処分

・家禄税(1873年)

・家禄奉還制(1873年)

→これにより20%削減できたが以前大きかった

 

・1875年 家禄を石高から貨幣表示額の金高に改めた

・翌76年 金禄公債を発行することで全ての金禄を処分した

・この時大金を得た華族の資金は、工業化のための資本となる
 



 

 

明治維新の評価

近代資本制社会が成立するための基本的な前提条件;商品経済の自由な展開に不可欠な人格的自由・経済活動の自由が保証されたといえる

・身分的支配の廃止

・近代的土地所有権の確立

・前近代的共同体の解散

一方で、絶対主義が確立したという評価もある

・西欧の市民革命ではなく政府によって進められた

・封建領主宇は金融資産を持つ華族として新しい支配階級になり権力を失わなかった

・農民は封建貢租と変わらぬ量の地租を負担した

・絶対王政の社会的基盤である寄生地主制が保証された(小作料など)

・国家主権の在り方が国民主権ではなく君主主権

・社会構造のもとで家族制度や共同体関係は強く残った

 

-日本経済史, 経済学

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