概説日本経済史 三和良一 の試験対策ノートです。
近代産業の発達
日本経済史 の勉強にどうぞ
近代産業の発達
近代産業の発達 エネルギー・素材産業の発達
石炭業と鉱業条例
・1873年 日本坑法 埋蔵鉱物の政府所有原則と15年の期限付き借区制
・様式技術の導入は、佐賀藩・グラバー商会共同の高島炭鉱に始まる
・1889年 選定鉱区制で零細炭鉱の乱立を防ぐ
・1890年 鉱業条例により借区期限を廃止して採掘権を無期限に許可した
・鉱業権と所有権が同じになったことで、長期的計画の投資を行う準備ができた
近代石炭業の確立
・明治初期:唐津炭田が主産地 → 次第に、筑豊炭田に代わる
・石炭は運搬と排水を中心に機械化が進む
・多くの部分は手作業。先山(つるはしなどで削る)、運搬坑道までの石炭運搬、後山(木製の箱などの作業)も全て手作業。
・納屋制度と呼ばれる厳しいルール下
・燃料炭としては競合外国炭の輸入圧力がなかった
・その結果、競争は進まず労務管理の非近代性、技術移転の遅れなど多くの課題を残した
近代鉄鋼技術の導入
・江戸時代には「たたら吹き」があったが、近代的需要には追い付けなかった
・明治政府は官営の製鉄生産を始めるが失敗した
原因:木炭に代わるコークスと炉材(耐熱レンガ)の製造技術不足、操業技術不足が主なもの
・軍備上必要なため政府は注力する
官営八幡製鉄所による生産開始
・1901年 八幡製鉄所の操業開始、3年半の1904年に成功、安定生産
・その後民間の製鋼業への操業が相次ぐ
・釜石、住友、神戸製鉄、川崎など
・1905年以降は、輸入依存度は大きいものの、製鉄業の基礎を確立し、軍需に関してはほぼ自給できていたといえる
近代産業の発達 兵器生産と機械工業の発達
軍工廠
廠(ショウ)… 船などを作る工場
・官営の軍需工場が急速に配備される
・陸軍:1880年 13年式村田銃の創製、22年式村田銃で量産体制が整い、30年式歩兵銃が開発され日露戦争の主力になる
・海軍:1894年 巡洋艦の竣工、1905年軍艦「薩摩」で世界レベルに並ぶ
造船業
・官営石川島修船所を借用して民営の造船所を操業(1876)
その他の機械工業
■鉄道
・1893年 国産蒸気機関車の完成
・鉄道国有化(1906年)
・1911年には国内輸入に税がかかり国内生産体制が整う
運輸業の発達
鉄道業
・1881年 日本鉄道会社設立
・1883年 上野-熊谷間
・1906年 鉄道国有化
・1907年 朝鮮敷設権を獲得し京釜鉄道(京城-釜山)も買収した
海運業
・三菱会社を助成することによって近代海運業の導入を進めたが、大隈重信失脚後方向転換
・半官半民の共同運輸会社を設立し両社を競争させた
・両社は合併し、日本郵船が設立(1885)
・1893年 ボンベイ航路(インド)開設
・1896年 欧州航路、北米航路、豪州航路を開設
・1896年 航海奨励法(遠洋航海に対して距離に応じて補助金)
・東洋汽船・大阪商船など民間会社も続く
・1909年 補助金を欧州・北米・南米・豪州の4大航路に集中した
⇒貿易が国内船が成長し、貿易収支の改善に繋がった