経済学 経済政策

現代の経済政策テスト対策ノート10 食料・農業政策

投稿日:2019年5月9日 更新日:

現代の経済政策 田代洋一・萩原伸次郎・金澤史男

試験対策ノート

食料・農業政策

 

 

 



 

 

 

食料・農業政策

 

第一部 農業問題と農業政策

 

1.農業政策の位置

・農業の2つの特殊性

①自然的独自性:工業は機械が生産手段だが、農業は土地。環境との相互作用が強い

②社会的独自性:雇用労働ではなく家族労働に依存する。

 

・したがって農業政策は経済政策の中でも特殊

 

2.農業問題と農業政策

 

以下の3つに分類してみていく

・20世紀の農業政策 → 関税・価格の対策

・20世紀から21世紀への転換期

・21世紀の農業政策



20世紀の農業政策 関税・価格政策

 

1.農業政策の登場 農業関税政策

 

・19世紀末ドイツで関税誕生

 

2.農業政策の展開 農産物価格支持政策

 

・1929年 世界恐慌から農業にも影響した

・恐慌による需要減退と技術進歩による供給の増加が過剰供給として発生した

農産物価格支持政策をとるようになる

 

・アメリカでは無制限買い入れを行う価格支持融資制度を取った

・フランスは小麦価格を協議して決める小麦関係者局を設立

・日本はコメの売買操作をする米穀統制法をとる

 

・しかし、アメリカ以外では生産調整政策はとられなかった

 

3.戦後高度成長期の農業政策

・高度成長期には工業発展に対しては、農業の進歩はいまいち

→農業の所得指示機能が求められるようになる

 

・戦後の価格・所得指示政策をアングロサクソン型とヨーロッパ型に分類する

・アングロサクソン型:不足払い制度…国際価格と比較して国内生産費がかかる場合、その差額を支払う。輸出国の場合には農家には生産費・所得を保証しつつ、安い国際価格で輸出可能になる。アメリカでは最低価格で買い取ったうえで、これをする二重構造になっている。

・ヨーロッパ型:生産の目標値を決めて、その価格以下の国際価格で輸入された商品に上乗せする。消費者が支払い国が儲ける。

 

2つの違いまとめ

■価格形成

・アングロ:国際価格基準

・ヨーロッパ:国内生産費基準(目標)

■費用負担の面

・アングロ:政府が負担

・ヨーロッパ:消費者負担

 

4.戦後日本の農業政策




・戦前の地主制が残存していたため、農地改革からスタート

→全小作地を国が買い取り農民に売り渡した

 

・1942年 食糧管理法

①自家飯米を除くすべての米を政府が農協を通じて政府米価で買い上げ

②政府米価より低い価格で卸売業者に売り渡し

③農家ー農協ー国ー卸売業者ー小売業者ー消費者の流通ルートを確保

④輸入は食糧庁が一元管理する国家貿易

 

・1961年 農業基本法

→米価格引き上げを実施。のちの米過剰を招く

 

第三部 世紀転換期の農業政策

 

1.世界的農産物過剰と農政転換

 

・1970年代は自由主義が進む時代

・農業保護政策がやり玉にあがる

 

・ECで世界的に過剰な農産物が発生する

→輸出市場を探す「穀物戦争」。輸出補助金は国民の税から徴収するため、不満

 

・1986年 ウルグアイ・ラウンドにて農業生産物が自由貿易の対象に含まれる

①すべての非関税障壁を関税に置き換える(輸入数量や国家貿易など)

②国内助成金の削減→所得の維持はデカップリング型政策で乗り切るよう指示

※デカップリング型…農産物の生産量にかかわらず、過去の実績に基づいて農家に補助金を出す

 

⇒輸出はしやすくなったが、輸入国の食料自給率向上のための手段を制限した。輸出国側の論理

 

2.EU直接支払い政策

 

・1992年 直接支払い絵施策へ転換する

・穀物29%、バター5%、牛肉15%引き下げなどを条件に価格引き下げ相当分を面積当たりの直接支払いに切り替えた

・そしてWTO農業協定により、国境措置にあたる境界価格を廃止し、輸入課徴金を関税に置き換えた

 

・EUの直接支払いは面積・頭数

 

・2000年には保障価格をさらに15%引き下げ、半分を直接支払いに回し、残りの半分を農村開発費にまわした

 

・2005年からは本格的なデカップリング型を採用

→これまでの年平均支払額を基準期間の農用地面積で割った金額を直接支払う

→また、需給にあたっては環境・公衆衛生・動植物衛生・動物愛護などの要件を満たす必要がある

 

3.アメリカの直接支払い政策

 

・1996年 不足払いを廃止して過去の実績をもとに「直接固定支払い」に移行

・固定払いなので農作物の価格に応じて農家に影響する

 

・しかし2002年以降事実上の不足払いに戻っている

 

4.日本の食料・農業・農村基本法農政

 

①自民党農政 経営所得安定対策

・例外なき関税化について米は排除した→ミニマムアクセスの割増(MA,最小輸入量)

・1999年には米過剰なためMAを維持できず、関税化(=自由化)

・日本は食料安全保障(食料自給率)と農業の多面的機能こそが非貿易的関心事項として農業新基本法の基軸とした

・そして、両概念の実現を図るものとして直接支払いを位置付けた。以下の2通りの考え方

→中山間地域の直接支払いを開始。10アールごとに2万円ほどを交付。これにより中山間地域の耕作放棄等が一部食い止められている

→関税の引き下げに伴う外国との生産条件格差(価格差)を補填するための支払い(ゲタ)

→価格・収入変動に対応するための支払い(ナラシ)

 

・日本の直接支払いの遅れう

①欧米に後れを取った。原因は米過剰や構造政策の遅れ

②支払い対象を「担い手」に限定している…集合農家単位に支払う

③自給率向上を目的としており、生産刺激的政策を認めないWTOとは対立している
(ゲタをはかせているが、一部デカップリング型も取っており、自給率向上のブレーキとアクセルを同時に踏んでいる状態)

 

・輸出国アメリカですら完全なデカップリング型はとれず、ましてや輸入国は基本的に矛盾する政策である

 

②民主党農政 個別所得補償政策

 

民主党の政策

①選別政策ではなくすべての販売農家を対象にする

②米を作らせない減反政策ではなく、米の生産数量目標を達成した農家を助成する選択的調整

③標準的な生産費と当該年の米価との差額を個別所得補償する

 

・一方で価格支持政策は拒否した → その結果業者がコメ価格を引き下げ続けた

 

第三部 21世紀の食料・農業政策

 

1.WTOとFTA

 

・2001年からのWTO交渉が継続する中で、FTAが加速する

・TPP

 

2.農業政策から食料・農業政策へ

 

・食品の工業化が進む(冷凍食品や惣菜など)

①食料を川上から川下を経て消費までチェーンサプライシステムとしてとらえ宇

②食の安全性問題が浮上

③食品加工業・大規模流通業などでジャンクフードが横行。食の健康問題が浮上

 

・2003年 食品安全基本法が制定

HACCPトレーサビリティ・システム導入

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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