日本経済史 経済学

概説日本経済史試験対策ノート13 戦後経済改革

投稿日:2019年5月13日 更新日:

概説日本経済史 三和良一 の試験対策ノートです。

高橋財政

戦後経済改革 の勉強にどうぞ

 

 

戦後経済改革



 

15年戦争の帰結

ポツダム宣言の受諾

 

・ポツダム宣言では将来の国際貿易への復帰を文字にしてあった

・しかし実際には重化学工業そのものを禁止し軽工業のみにする可能性があった

 

・連合国による日本統治はドイツのような直接統治ではなく、日本政府を残しての間接統治をとった

 

戦争経済の決算

 

・他国への被害はもちろん、日本国内でも大きな被害となった

・戦死者240万人、民間人の死者・行方不明者は32万人

・被害額はストックの25.4%減(643億円)

 

・日中戦争・太平洋戦争の経費は2185億円に上ると推計される

・国民総生産は3603億円

 

・他国への損害は推計すらできない

 

連合国の対日占領政策

 

戦後改革の評価

 

・1946年 日本国憲法 戦争放棄と国民主権

・天皇制は象徴天皇制として継続

・家督の長男単独相続制が廃止など

 

■評価 資本主義成立時期の見解の相違から

①戦前日本を「半封建的土地所有」とする立場からは、戦後改革を経て初めて日本に本格的な資本制社会が登場し、上からのブルジョア革命の完成とみる評価

②戦前日本を「明治維新で資本制社会が成立していた」とする立場からは、戦後改革によっても社会構成隊としては変化がなく、戦前と戦後は継続しているとみる評価

→本書では明治維新と地主制の角度から②

 

■評価 国家独占資本主義の成立見解の相違から

①戦前日本では「戦時国家独占資本主義体制」という特殊な国家独占資本主義は成立しなかったという見解からは、戦後になって本格的な国家独占資本主義の段階になったとする評価

②戦前から国家独占資本主義体制が発展していたという立場からは、戦後改革がより推し進めたという評価

→本書では高橋財政期から始まるとして②

 

対日独占政策の構想

・アメリカでは太平洋戦争勃発時から戦後日本の占領政策について検討が開始されていた

・1943年では以下の3案があった。③が現実的と考えられていた。

①近代工業施設を撤去し、外国貿易から遮断して農業国になる

②軽工業は許容し、外国貿易の再開も認めるが重工業は解体し海運業も放棄させる

③軍需工業を解体し。航空機製造業と造船業を禁止する

 

・その後もハード・ピース路線(厳格な和平)とソフト・ピース路線(寛大な和平)とが対立した

 

経済的非軍事化政策 物的戦争能力排除

大きく2つ この章では一つ目を見ていく

 

1.日本経済から物的戦争能力を排除する政策

2.侵略主義的衝動・軍国主義的行動の発生源を日本経済から排除する

 

 

・全体を通してハード・ピースな考えが先行していた。(実現はしなかった)

 

以下当初の想定

・軍需・軍工廠(こうしょう)・兵器工場の破壊、民需に転換できる機械は海外へ搬出

・また、平和時の必要水準を超える機会の撤去:日本の生活水準を1926~1930年程度に匹敵する水準

例)

①軍工廠・航空機工場・ベアリング工場の全部

②20造船所の設備

③工作機械製造能力の50%

④年間250万トンを超える鉄鋼生産能力

⑤火力発電所の50%

⑥20化学工場

⑦マグネシウム・アルミニウム工場全部

 

財閥解体と独占禁止

政策の2つ目。こちらは推し進められた

2.侵略主義的衝動・軍国主義的行動の発生源を日本経済から排除する
 



 

 

持ち株会社解体

 

①三井・三菱・安田・住友に財閥解体計画の提出を求める

・安田が応じる

・親族の全役職辞任、本社支配統括機能の廃絶、持ち株売却

・三菱は自発的解体には反対したが結局同意した

 

②持ち株を通じた大会社の子会社支配の隔絶

・三井物産・三菱商事には特に厳しく、それぞれ170社・120社に細分化されて再出発した

 

人的支配の解体

・10財閥家族56人は保有株式を持ち株会社整理委員会に委譲し、役職はすべて退いた

・1946年 会社証券保有制限令:企業間の兼任重役制を禁止

・同年 公職追放により1500人の財界人が役員職を追われた

・1948年 財閥同族支配力排除法:改めて財閥企業の人的支配を排す目的

 

独禁法と集排法

 

・1947年 独禁法の制定

・同年 過度経済力集中排除法:大企業を解体するもの

当初は325社が指定されていたが、最終的には三菱重工や日本製鉄など18社の分割にとどまった

 

財閥解体・独占禁止法政策の意義

 

・系列企業の独立により独自の資金調達・技術開発・販売活動が活発になった

・社長の若返り

・株式公開が大衆の証券取引に参加するようになった

 

農地改革と労働改革

 

第一次農地改革案

 

・1945年 日本側は不在地主から土地を徴収し小作料を金納化する第一次農地改革案を提出
 



 

 

第二次農地改革

 

・第一次農地改革は地主制を残したため、批判が出され一層徹底した改革を進める

・1946年 第二次農地改革が実行される

 

・骨子

①当事者間の農地の譲渡=取得を認めず政府が買収・売り渡しを行う

②不在地主の全小作地と在村地主の多くから土地を買収する

③地主からの農地買収は1945年の所有関係のみ

⇒地主制はほぼ解体された。自作農は30%から60%へ移行した

 

労働改革と労働運動

 

・1945年 労働組合法制定

→短期間に起案されたのには、戦前から労働組合法制定に向けた動きが反映されていると考えられる

→団結権・団体交渉権・団体争議権が確立された

 

・占領軍は労働組合の制定も奨励した

 

農地改革・労働改革の意義

 

・農民は自作農となり勤労意欲・土地改良意欲が向上した

→実際に大幅な向上があった

 

・労働三法の制定も低賃金基盤が変革される可能性

・特に賃金改善に大きな役割を果たした

 

財政金融制度の改革

 

・赤字国債の発行を原則禁止

・シャウプ税制:法人を担税単位と認めず、株式配当は個人所得に総合して課税するなど直接税中心主義を取る

 

・植民地銀行は解散

・日本勧業銀行や日本興業銀行も普通銀行に改組した

 

・日本銀行は政府の管理権限が強いことが指摘され、日本銀行の中に日本銀行政策委員会を新設した

 

・銀行制度についてあまり大きな変革がなされなかったことは、戦後の企業体制編成に際して、銀行が果たす役割を一層重要なものにしたといえる

 

 

-日本経済史, 経済学

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