欧米経済史 経済学

西洋経済史 試験対策ノート3 ヨーロッパの工業化をどうとらえるか

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西洋経済史 奥西孝至 の試験対策ノートです。

西洋経済史 の試験対策ノートです。

ヨーロッパの工業化をどうとらえるか




以下の教材をまとめています。

 

 

試験直前などには使えるかと。

 

ヨーロッパの工業化をどうとらえるか

 

ヨーロッパの工業化をどうとらえるか

近代経済成長と「なぜヨーロッパが最初に」という問い

 

・グズネッツによる「近代経済成長」の発見:ある一定の時期から特定の国々において経済成長が持続的になり、テンポも加速した

 

・アジアNIESや中国の経済発展を見るまでは、「なぜヨーロッパだけが」という問いの立てられ方をしていた

 

ヨーロッパ内部の要因を重視する議論

 

宗教と資本主義 説

 

・プロテスタンティズムが支配的な地域 例:「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(マックス・ウェーバー)
→プロテスタンティズムが持つ合理性が合理的な経営・経済活動を支えたとする




 

ヨーロッパ経済の先進性 人口と資本蓄積 説

 

・ヨーロッパはマルサスの罠からいち早く抜け出すことができていた

・マルサスの罠:もし何らかの理由で生産量が増加しても、人口圧力が働く結果長期的には人口も生産量も停滞せざるを得ない

・ヨーロッパには遅い結婚や聖職者の独身など人口抑制の慣習があった。これがなくなることで、大きな市場が成立した

 

・ヨーロッパは他の地域に比べて大災害や遊牧民からの攻撃で一人当たりの資本蓄積が高かった

 

ヨーロッパ経済の先進性 制度の役割 説

 

・国家による私的所有権のっ確立が取引費用を削減し、インセンティブを高めた

 

・都市国家を経たことがアジアとの違い
・すなわち、都市国家とは商業を行う存在

 

ヨーロッパ外との連関の重視

 

ウォーラーステインの「近代世界システム」論

 

・海外植民地を持っていたとする論

・搾取に関心が向く

・自由労働が実現している「中核」での利潤蓄積が達成されるには「周辺」の不自由な(強制的な)労働形態が不可欠であった

 

要は世界経済の中に植民地を原料・労働力提供地として非人間的な組み込み方をしたことで、中核は利益をあげることができた




 

大いなる分岐と有用な知識

 

・ポメランツ:「植民地化による富の獲得がヨーロッパ経済変化にとっては決定的な意味を持つ」

・ヨーロッパの工業化は石炭資源が利用しやすい環境だったという全く偶然の自然的条件

産業革命をめぐる議論

学説の変遷

 

産業革命論の誕生と展開

 

・トインビーが英語圏に普及させた言葉

・産業革命に対するイメージは時代背景に応じて変化してきた

①19世紀末~1920年代:当時の社会問題の根源にある断絶的な変化として破壊的な影響を重視

②1950年代まで:景気停滞、大不況と言った経済活動や資本主義の終焉を背景に「景気循環の一局面」として産業革命を把握する

③1950年代~70年代初頭:西側諸国の経済成長を背景に、「史上初の持続的経済成長」として産業革命を把握

④70年代~80年代:低成長時代を背景により長期的で緩慢な変化を確認

 

第二次世界大戦前後までの産業革命論 19世紀末~1920年代

 

・美しき田園を失い都市の貧しく不衛生な環境を作り出したのは産業革命だという悲観論中心

 

経済成長と「離陸」 1950年代~70年代初頭

・近代化の観察

・経済成長の初期には経済格差は拡大するが、次第に平等化に向かう(グズネッツ・カーブ)

 

・産業革命は景気変動ではなく、経済成長としてとらえられるようになった

 

・ロストウ:「離陸」という概念で、近代社会への断絶的な大変化と表現

伝統的社会→離陸への先行条件→離陸→成熟社会への前進→高度大衆消費時代

・ヨーロッパではニュートン力学の近代科学成立までは伝統的社会

・経済進歩は善であるという社会通念(先行条件)

・国民所得の10~20%の投資率・人口増を上回る所得水準(前進)

 

後進性の利益

ガーシェンクロンによる説

①急速に成長する:先進国の技術を使って一気にGAPを埋める

②消費財よりも生産財により重点が置かれる:後進国にとっては重工業生産へのシフトが有利

③工場・企業の規模がより大きくなる:より多くの資本設備を有する重工業が高まる結果

④住民の消費水準はより抑圧される:貯蓄を増やす必要があるため

⑤農業の役割がより小さい

⑥資本を供給し工業化するための特別な制度がより大きい:ドイツの大銀行、ロシアの政府役割が大きい

⑦工業化のためのイデオロギー(ナショナリズム)の重要性が大きくなる:特別な目標設定が必要になる。富国強兵など

 

産業革命論の退潮 70年代~80年代

 

・1970年代 世界的な停滞

 

・産業革命は限られた分野にしか起きなかった

 

地域の工業化論

 

・国民国家の枠組みと無関係な地域間の経済連関 ECからEU

・工業化を国ではなく、地域という枠組みでとらえる試み

 

・ポラード:産業革命は全ヨーロッパ的な一つの過程

・地域とは何かという批判は当然ある



プロト工業化論の貢献

 

・プロト=工業化に先立つ工業化

 

・農村工業の導入が農民家計の再生産行動を通じて近世農村社会における人口動態に影響を与えた

・プロト工業化は痩せた地域と肥沃な地域で農工間分業が成立した

・食糧を外部に依存せざるを得なかった

 

 

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