日本一読まれている財務会計テキスト で有名な
桜井久勝さんの財務会計講義をまとめていきます。
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今日は第二章 利益計算の仕組み
ここで登場する単語
利益計算の仕組み
企業活動と財務諸表
・資本主が出資した資金は資本と呼ばれる
・借入金などは負債
・企業は資金を投下して事業活動に必要な資産を購入する
貸借対照表の意義
①貸借対照表はある時点で企業がに利用している資金がどのような源泉から調達されているか(=資金の調達源泉)
②資金がどのような資産ん位投下されているか(=資金の運用形態)
を明らかにする。
資産=資本+負債
これを貸借対照表等式と呼ぶ
損益計算書の意義
・自己資本の増殖分を明らかにするのが損益計算書
・収益は営業活動によって達成された成果であり、費用はその結果を得るために費やされた努力
複式簿記の構造
取引
・複式簿記では企業の資産・負債・資本に影響する出来事取引として識別する
・取引の決定基準
①その事実が既に発生していて
②企業の資産・負債・資本に影響を及ぼしており
③その影響が合理的な正確度で金額的に測定できる
取引の2面的な分析
簿記の基礎なので割愛
取引の記録と集計
仕訳帳
・仕訳帳は貸借一致していることがルールである。これを貸借平均の原理と呼ぶ
・機首の繰り越し金額に関する仕訳帳の記入は開始記入と呼ばれる
元帳への転記
・勘定科目別に増減を記載していくもの
・すべての勘定を収容したものを元帳と呼ぶ
・仕訳帳をもとに勘定に移し変える作業を転記と呼ぶ
試算表による検証
・試算表には元帳の各勘定の借方合計と貸方合計だけを集める合計試算表と貸借を相殺した後の残高だけを見る残高試算表がある
・試算表では合計金額と勘定金額が一致しているか確認できる。一致しない場合原因を究明する。試算表で記帳の正しさを担保できるこの仕組みを複式簿記の自己検証機能と呼ぶ
決算と財務諸表の誘導
決算整理
・財務諸表の作成に際して、決算時点の情報を担保する。そのための調整作業を決算整理と呼ぶ
・決算整理の内容は物理的に知覚できない現象による。
例1.備品の使用に伴う価値の低下
例2.借入金に対する利息の発生 など
・正しくは仕訳帳から上記仕訳を記入し、元帳に転記する必要があるが、精算表を使えば残高試算表から迅速に対応できる。
帳簿決算
・1年間の帳簿を締め切ることを帳簿決算という
・まず、損益勘定を集合する。
・これらの差額を純利益として資本へ振り替える
・これらの手続きの結果、残るのは資産・負債勘定。これらは残高勘定に集約する
・このように残高勘定を使う決算を大陸式決算という
・一方繰越試算表のみを作るのは英米式決算という
財務諸表の作成
・精算表の作成や帳簿決算が完了すると、その結果から財務諸表を作成する。
・こうして帳簿記録を基礎として財務諸表を作成し利益を算定する方法を誘導法という
・これとは別に決算のタイミングで実地調査する方法は棚卸法と呼ばれるが、PLがわからないので財務諸表には向かない。
・損益計算書は利益額だけでなくどのように獲得したがわかるので、経営成績や投資の成果を明らかにできる
・貸借対照表では資金の調達源泉と運用形態が表示されることで、企業の財政状態がわかる。財政状態を投資のポジションとも呼ぶ
利益計算と財務諸表
損益法と財産法
・当期純利益の計算には2つの方法がある
①損益法:損益計算書などを使い、収益と費用の差額を明らかにする.
収益-費用=当期純利益
これを損益法等式と呼ぶ
②財産法:資産と負債の差額を用いて当期純利益を明らかにする
期末資本ー期首資本=当期純利益
この等式を財産法等式と呼ぶ
・損益法と財産法のどちらが会計の中心かについては見解の対立がある
・収益費用観:損益法が中心だ
・資産負債観:財産法こそが中心だ
貸借対照表と損益計算書の関係
・BSとPLの関係のうち最も重要なのは、1期間における資本の増減はその期間の利益と等しいこと。したがって、期首から期末の資本の変化は損益計算書の当期純利益が出資金の資本金に参入されたことで完全に説明される。(追加出資や引き出しがない場合)
・つまりに計上されない項目の混入によって資本が汚されないという意味で、クリーン・サープラス関係と呼ばれる
・しかし、保有有価証券価格の上昇など、取引以外で資本が増加することがある。この時クリーンサープラス関係を守るために一度他の勘定に仕訳を記入し、利益計算含めて当期純利益と合算したうえで資本に振り替える。
・ただし、取引を経たわけではないので、その他の包括利益という項目に含めて、取り扱わなくてはならない。
・したがって貸借対照表に振り替える利益は、当期純利益とその他の包括利益から成る。この合計額を包括利益と呼ぶ