経済学 財務会計

財務会計講義3 会計理論と会計基準

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日本一読まれている財務会計テキスト で有名な

桜井久勝さんの財務会計講義をまとめていきます。

 

スマホで見れるノートとしてご利用ください。

 

今日は第三章 会計理論と会計基準

 

 

ここで登場する単語

利益操作、利益捻出、利益圧縮、会計基準、GAAP、企業会計原則、企業会計審議会、企業会計基準委員会、企業会計基準、国際会計基準、IFRS、コンバージェンス、修正国際基準、連単分離、中小会計指針、中小会計要領、演繹的アプローチ、帰納的アプローチ、会計公準、企業実態の公準、会計主体論、資本種理論、企業主体理論、継続企業の公準、ゴーイング・コンサーン、貨幣的測定の公準、粉飾決算、逆粉飾決算、損益取引、資本取引、利益剰余金、資本剰余金、簿外資産、簿外負債、意思決定有用性、意思決定との関連性、信頼性、内的整合性、比較可能性

 

会計理論と会計基準

 

会計基準の必要性

・複式簿記をもってしても利益操作が行われる可能性がある

利益捻出の動機:財務諸表の経営成績を良くして資金調達を容易にする、株主総会で経営者が手腕を良く見せる

==

営業が成績を良く見せたいなんてのもあったなあ

==

 

・逆に経営者が利益圧縮を行う主な動機は税金の節約

・そのほか株主からの増配要求、仕入先からの値上げ交渉などを避けるため

 

・これらを防ぐためのものを会計基準と呼ぶ

 

・会計基準は公正妥当なものとして社会的承認を得ているという意味で「一般に認められた会計原則」=「GAAP」と呼ぶ

 

会計基準の設定と問題点

 

会計基準の設定

 

・GAAPを設定する試みは早いもので1930年代アメリカ

 

・日本では戦後制定される。1949年アメリカの会計基準を参考に「企業会計原則」制定

・企業会計原則は企業が適正な会計処理を行うための指針としてだけでなく、公認会計士の財務諸表監査の判断基準としても使われる

・企業会計原則の統括は企業会計審議会

 

・国際動向で会計原則は民間が制定すべきという声がある。そのため、日本でも企業会計基準委員会を設置し、企業会計基準を制定している
 



 

 

会計基準の国際的統合

 

国際会計基準(IAS)を制定する試みが始まり、国際会計基準審議会(IASB)がこれを継承し、国際財務報告基準(IFRS)という名称で会計基準を制定している

 

・国内の会計基準を国際基準に合わせていく流れ

・この動きを国際的なコンバージェンス(統合)と呼ぶ

 

・金融庁は連結財務諸表に対して、①日本基準、②アメリカ基準、③国際会計基準も認めている、また、④修正国際基準(JMIS)も認めている

修正国際基準:国際基準を日本企業が遵守しやすく修正したもの

 

・単体財務諸表と連結財務諸表で会計基準に差が出ることがある。これを連単分離と呼ぶ

 

会計基準の適用区分

 

・すべての会社が会社法の適用を受ける。

・金融商取引法は上場会社など大きい会社のみ。これらの会社は個別財務諸表とは別に連結財務諸表が必要

 

・個別財務諸表は日本基準で作らなければならない。

・ただし、会社法上の大会社以外は、中小会計指針または中小会計要領を選択することができる

 

演繹的アプローチの展開

会計基準の設定には以下がある

演繹的アプローチ:会計の前提となる家庭や会計の目的を規定し、これらに合うように会計ルールを作る

帰納的アプローチ:実際の会計処理を観察して、会計基準を設定する

 

帰納的アプローチの問題点

 

・①現行の実務で用いられるルールなので、問題点があっても是認されることがある

・②過去には存在しないルールに対応できない

・③基準全体に首尾一貫性や整合性がない

 

これらの問題に取り組むため、演繹的アプローチを導入することが始まっている。

1.会計公準の明確化 … 基礎となる考え方

2.フレームワークの設定 … 重要概念の設定

 

会計公準論

 

・会計の理論的な基礎構造を構成する命題は会計公準と呼ぶ。つまり、それがないと会計が成立しないというもの。

・会計公準として考えられるもの、①企業実態の公準、②継続企業の公準、③貨幣的測定の公準

 

企業実態の公準

会計はどの単位で測るのか

 

・会計は法律上独立した企業ごとに行われる。「会計の計算はここの企業実態を対象として行う」とする命題を企業実態の公準と呼ぶ

・会計単位の公準とも呼ぶ

⇒要は会計の対象範囲を決める

 

・対象範囲を決めることで、企業と出資者の関係を規定する。

・企業と出資者の関係をいかに解釈するかについては会計主体論により以下のような2つの見解がある

資本主理論:企業は出資者の集合体であるとみて出資者の観点から判断を行う

企業主体理論:出資者は企業の利害関係集団の一つにすぎず、企業は出資者から独立しており、企業自体の観点から会計上の判断をする

 

継続企業の公準

企業はずっと続くから期間を絞る

 

・現代企業は解散を前提とせず、永遠に存続し、成長することを目指している。

・企業活動が無限に継続するので、「会計計算は期間を区切って行う」とする命題が継続企業の公準

 

・現実には倒産もあり得る。これらの企業を通常の財務諸表公表だけでは継続企業の前提(ゴーイング・コンサーン)が壊れてしまうので、注記をする必要がある。

 

貨幣的測定の公準

何をもって評価するのか

 

貨幣的測定の公準:会計の計算は貨幣額を用いて行う

・ここでは貨幣価値の変動は無視していることになる

 

・しかし、物価の変動が著しい場合には、修正の必要がある。これは物価変動会計と呼ばれる
 



 

 

概念フレームワーク規定

 

以下の4つが設定されている

①財務報告の目的:投資者による企業価値評価のために、将来予測に有用な情報が開示されること

②会計情報の質的特性:会計情報が意思決定有用性を持つために具備すべき質的な特性として意思決定の関連性や信頼性

③財務諸表の構成要素:資産・負債・株主資本・包括利益・純利益・収益・費用の8つ

④財務諸表における認識と測定:資産・負債・収益・費用の測定尺度

 

企業会計原則の一般原則

 

・日本の企業会計原則では一般原則、損益計算書原則、貸借対照表原則の3つから構成される

 

・以下の7つがあげられる

 

1 真実性の原則

…嘘をつくな

 

・「企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなくてならない」

 

・ただし、ここでいう真実とは

将来の設備の使用可能年数や売上代金の回収可能性など、多くの事項について主観的な見積もりが含まれており、また1つの取引に複数の会計処理が認められている。このため、絶対的な真実ではなく相対的に正しいことを担保しろということになる。

 

・虚偽(例えば、取引のない借入金や費用、隠ぺいなど)の報告

・架空利益を計上することを粉飾決算といい、

・逆に利益を隠すことを逆粉飾決算という

 

2 正規の簿記の原則

…すべての取引をちゃんと書いて、それをもとに計算しなさい

「企業会計はすべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない」

 

・すべての取引を記帳しなさい

・そして誘導法にて財務諸表を作成しなさい

 

3. 資本と利益の区別の原則

…損益取引と資本取引は分けなさい

「資本取引と損益取引とを明瞭に区別し、特に資本剰余金と利益剰余金とを混同してはならない」

 

損益取引:売買を通じて利益を出すこと。利益剰余金

資本取引:追加出資や引き出しなど。資本剰余金

 

前の章で見たあれと一緒ですね

 

そう、

 

クリーンサープラス

 

・利益剰余金と資本剰余金の区別は11章でふれます

 

4.  明瞭性の原則

…わかりやすく書きなさい

「企業会計は財務諸表によって、利害関係者に対し必要な会計事実を明瞭に表示し、企業の状況に関する判断を誤らせないようにしなければならない」

 

・よくわからん。その工夫については、12章で詳細な説明あり。

 

5. 継続性の原則

…ルールをそんなに頻繁に変えるな

「企業会計はその処理の原則及び手続きを毎期継続して適用し、みだりにこれを変更してはならない」

 

・移動平均、先入先出法など複数のルールがある理由は、個社の要件に適したものを選べるようにするため

・変更が何度も行われると経営成績も図りにくく利益操作の危険性がある。

 

・そのためあまり変えてはいかんと。

 

・ただし、次の場合変えれる。

①会計基準の変更

②それ以外の正当な理由による変更:

1.企業の事業内容の変更や企業内外の環境変化に対応していること
2.その変更により、取引や事象の影響を財務諸表により適切に反映するため

 

6. 保守主義の原則

…利益を控えめに申告しなさい

「企業の財政に不利な影響を及ぼす可能性がある場合には、これに加えて適当に健全な会計処理をしなければならない」

 

・収益の計上はそれが確実になるまで待つ、費用は上がりそうなら計上する

 

7. 単一性の原則

…目的がちがう財務諸表を作成するときも2重帳簿を使うな

「株主総会提出のため、信用目的のため、租税目的のため等、複数の目的の異なる財務諸表を作成する場合、それらは信頼しうる会計記録に基づいて作成されたものであって、政策の考慮のために事実の真実な表示をゆがめてはならない」

 

8. 重要性の原則

8個あるんかーーーい。明示されているわけではないらしい。

…ある項目の性質や金額が小さく、重要性が細かい場合ルールにとらわれず事務上の経済性を優先させなさい。

 

・これは簿外資産簿外負債を生み出すことがある

以下は例

1)重要性が乏しい消耗品などを資産とせずに費用として計上する

2)重要性が乏しいため現金主義で処理したことによる経過勘定項目(前払費用・未収収益など)の不計上

3)重要性の乏しい引当金の不計上

4)重要性の乏しい不随費用を取得原価に参入せず費用に計上する

など
 



 

 

会計情報の質的特徴

 

意思決定有用性

 

・企業会計規則で最上位は真実性であるのに対し、概念フレームワークでは意思決定有用性が最重視

…企業会計が意思決定に使えるものなのかどうか

 

有用性の構成要素

 

・意思決定有用性は大きく2つの基本特性がある

意思決定との関連性:情報価値の存在性と情報ニーズの充足からなる

信頼性:表現の忠実性と検証可能性と中立性にある

 

・関連性と信頼性はしばしば対立しやすい。

⇒将来予測の情報は信頼性にはかけるなど

 

・それらを意思決定有用性を総合的に判断する必要がある

・制約となる特性のうち、内的整合性はある会計情報が、既存の会計情報内容を支える基本的な考え方と矛盾していない

比較可能性は時系列比較や企業間比較で同じ処理がなされること

 

 

-経済学, 財務会計

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