経済学 財務会計

財務会計講義9 無形固定資産と繰延資産

投稿日:2019年7月25日 更新日:

日本一読まれている財務会計テキスト で有名な

桜井久勝さんの財務会計講義をまとめていきます。

 

スマホで見れるノートとしてご利用ください。

 

今日は第9章 無形固定資産と繰延資産

 

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ここで登場する単語

無形項目、無形固定資産、無形固定資産、産業財産権、のれん、営業権、純資産法、収益還元法、インカム・アプローチ、DCF法、株式時価法、マーケット・アプロ―チ、繰延資産、対応原則、会計的資産、株式公布費、社債発行費等、利息法、定額法、創立費、開業費、開発費、研究開発費、仕掛研究開発費、



無形固定資産と繰延資産

 

知的財産と研究開発

 

・事業用資産の中には物理的な形態を持たないような無形項目がある

・特許権や商標権、ソフトウェア著作権など

 

・これらの項目は研究開発が必要であり、失敗すれば損失が生じるなど

・「資産とは過去の取引または事象の結果として報告主体が支配している経済資源を言う」(財務会計の概念フレームワーク)

 

・知的財産は有形固定資産と違い、①使用しても減少しない、②複数の生産工程や顧客により同時に並行して利用可能である という2つの特徴がある

・しかし進行中の研究開発活動が将来に収益をもたらすかは不確実性があるため、会計情報が具備すべき水準を満たさない場合が多い。①研究開発の最終的な成功の可能性と収益への貢献度が不明である、②従業員の転職による社外流出の容易性から企業による支配が弱い

・したがって、限定された項目だけを無形固定資産や繰延資産として計上する

 

・それ以外の評価は投資者など財務諸表の利用者が企業評価の一環として行うべき役割とされている

・投資者などが主観的に判断すべき内容を主観のれんという



無形固定資産

 

無形固定資産の種類

 

無形固定資産:物理的な形態を持たないが、1年を超える長期にわたって利用される資産項目を言う

 

法律上の権利

 

・各種法律に基づく無形固定資産には以下のものがある

・このうち1~4は産業財産権といわれる

 

  1. 特許権:自然法則を利用した高度の技術的発明を独占的・排他的に使用する権利
  2. 実用新案権:特許権ほど高度ではないが、物品の計上・構造・組み合わせに関する実用的な考案を独占的・排他的に使用する権利
  3. 意匠権:物品の形状・模様・色彩など資格に訴え美感を起こさせるデザインを独占的に使用する権利
  4. 商標権:文字や図形から構成される商品のトレードマークなど
  5. 借地権:建物の所有を目的として借りた土地を利用する権利
  6. 鉱業権:鉱物を採掘する権利
  7. 漁業権:漁業を営む権利
ソフトウェアの製作費

 

・ソフトウェア製作費のうち指定されたものは無形固定資産となる

 

のれん

 

・他企業の買収・合併に関し、受け入れた純財産を超える金額分

・その超過分は財産以上に収益性が高いと評価された部分である。これをのれんといい営業権ともいう

 

無形固定資産の取得原価

 

法律上の権利

 

・特許権を購入した場合は、その費用と付随費用が取得原価となる

 

・自社で開発したときは、研究開発費と法的権利の登記などの付随費用となる

・ただし過去年度で研究費として処理した場合は、その戻入れは行わず、付随費用のみが対象となる

 

ソフトウェア制作費

 

・ソフトウェア制作では、無形固定資産に計上すべきものと研究開発費として費用として処理すべきものがある

・無形固定資産とするのは以下の通り

①量販目的の製品が完成するまでの製作費は費用だが、その後のバージョンアップなどは固定資本とする

②ソフトウェアを自社利用して情報処理サービスを提供する業者が契約に基づくサービス提供する場合、制作費は

③ソフトウェア導入により自社の業務効率が改善される場合、購入費などは無形固定資産

 

のれん

 

・企業の中にはブランドの知名度などが高いから売れる場合がある。

・したがって、買収や合併で公布した株式の対価から、継承した純資産額を控除した金額がのれんの取得原価になる

 

・買収・合併される企業の自己資本価値は以下のように評価する

純資産法:買収される企業の純資産額をもって、その企業の自己資本の価値とみる方法。帳簿価額をそのまま見る方法と、時価に戻す方法がある。この考え方は純資産を取得原価に置き換えることから、コスト・アプローチと呼ばれる

収益還元法:買収される企業のキャッシュフローを業界平均の自己資本利益率や資本コストで還元して評価する方法。これはインカム・アプローチと呼ばれる。これには次のやり方がある

(1)利益を業界平均の自己資本利益率で資本還元する方法。企業の自己資本利益率が12%,業界平均が8%ならば(自己資本)×12%÷8%
(2)キャッシュフローを割り引いた現在価値で評価するDCF法。キャッシュフローからおおよその負債を割り出し、自己資本からひく
(3)自己資本と予想利益から残余利益モデルに基づいて自己資本価値を評価する。

株式時価法:買収される企業の発行済み株式の時価総額を持って自己資本価値を評価する。これはマーケット・アプロ―チと呼ばれる

 

無形固定資産の償却

 

・有形固定資産と同様に償却される。しかし、以下の違いがある

  1. 有形固定資産では減価償却というのに対し、無形固定資産では単に償却、あるいはなし崩し償却と呼ぶ
  2. 法人税法規定により残存価値ゼロとする定額法が採用される
  3. 貸借対照表上は取得原価から償却累計額を控除した残額のみでたりとされており、取得原価を減額するのが一般的

・のれんも徐々に減るものなので、20年以内に定額法などで償却することが定義されている

・一方IFRSでは超過収益力の持続期間については不確実性が高いため耐用年数を確定できないことを根拠に、規則的な償却は行わずに価値の低下時に減損処理することとなっている



 

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