経済学 経済政策

現代の経済政策テスト対策ノート14 福祉政策

投稿日:

現代の経済政策 田代洋一・萩原伸次郎・金澤史男

試験対策ノート

今日は 福祉政策 について

 

福祉政策



現代資本主義と福祉政策

 

効用や所得と福祉の関係

 

・人の福祉は何で測ることができるのか?

・人の福祉を考えるうえで重要なのは、個人が選択できる行き方の幅がどの程度あるかどの程度の自由があるか

・つまり、人の生活の質・生活の良さとしてみることができる。

 

・人の存在は様々な「機能」(栄養、健康状態、清潔な住まい、自尊心、人間関係など)から構成されており、その組み合わせが「潜在能力」である

 

福祉とは何か

 

・福祉というと、限定された弱者に対する援助をイメージするが(=狭義の福祉)、「幸福」という幅広い人に対する意味合いを持っている(=講義の福祉)

 

・海外では社会保障=所得保障を指すことが多い

・これは吉田茂の「社会保障制度に関する勧告」によるところが大きい

 

福祉政策の主体

 

・福祉政策の主体は中央政府・地方政府があげられるが、個人・民間団体・非営利団体も政策の主体になりうる

 

・現代で福祉の供給を担う主体は誰か。

・高齢者介護や子育てを担ってきたのは家族(主に女性)であることを考えれば、家族が福祉の供給を担ってきた。

・次に、福祉国家があげられる

・さらに、企業・非営利団体があげられる

 



 
 

・このように福祉は国家、家族、市場、非営利団体の4部門が担っており、これを福祉多元化、または混合福祉、と呼ぶ。

 

福祉政策の目的と手段

 

・歴史的には福祉の手段としてイギリスのヴェバリッジ報告がお手本とされてきた

・この報告では「ゆりかごから墓場まで」の社会保障計画によるナショナル・ミニマムの保障という考え方が打ち出され、

・さらに、回避されるべきものとして、窮乏、疾病、無知、不潔、無為の5つの巨悪が提案された

 

・ただし、それぞれの政策が発展しすぎると、目的同士に矛盾が生じる恐れがある

 

日本の福祉政策の展開と特徴

 

戦後の混乱から復興

 

・日清・日露戦争期には資本主義が発展し矛盾が露呈した。貧困問題、貧農の増大、労働問題など

・第一次世界大戦の好況によって、社会運動、労働運動が展開され、大正デモクラシーの状況下において民主主義と社会問題・生活問題への政策対応が強く求められた

 

戦後から高度経済成長と福祉政策の体系化へ

 

・1946年 生活保護法制定 → 欠陥が多い

・1950年 (新)生活保護法制定

 

・1947年 児童福祉法

・1949年 身体障碍者福祉法

・1951年 社会福祉事業法

 

・1960年代の高度成長を背景に

・1960年 精神薄弱者福祉法(現・知的障害者福祉法)

・1963年 老人福祉法:生活保護から養老施設が切放された

・1964年 母子福祉法:母子家庭も援助対象となった

 

・1961年 国民皆保険

 

財政再建と福祉政策の見直し

 

・1960年 所得倍増計画

・1979年 「新経済社会7か年計画」:日本型福祉社会を達成するために、地域社会を中心とした

 

レジームの国際比較と日本の位置

 

家族中心的福祉レジームの日本

 

・1990年以降、男性が妻子を扶養する「家族賃金」は維持が困難になった

・「市場・家族・福祉国家」の役割分担の限界が現れた



・アンデルセンは福祉国家がサービスや給付を供給する際に、市場及び家族の役割と以下に結びついているかを見るべきと考えた。

・また、福祉国家によって社会権が市民の権利として認められれば、社会権は個人の地位を市場原理に対して「脱商品化」する。

・脱商品化とは:個人あるいは家族が市場参加の有無にかかわらず、社会的に認められた一定水準の生活を維持できるかの度合いを問うことにある。

・この度合いを、①人々が社会給付にアクセスする上でのルール、②従前所得の置換水準、③給付対象となる資格付与の範囲 から検証した

 

・こうしてこのパターンを3つに分類した

①アメリカ・イギリスの自由主義レジーム
②ドイツやフランスの保守主義レジーム
③スウェーデン・ノルウェーの社会民主主義レジーム

 

・ただし、アンデルセンはジェンダーバイアスや、社会サービスや他分野の検討がなされていないという指摘がある

 

・そのためアンデルセンも脱家族化という概念を設定し、「女性が独立所帯を築き上げるための自立性の度合い」を考慮した

・①サービス活動(保険以外の家族サービス支出)、②子供のいる家庭への補助、③公的な保育の普及度合い、④高齢者のケア提供

 

「家族中心的レジーム」のゆくえ

 

介護・育児の社会化

 

・女性の負担を社会全体で担う、「準市場化」、「保険原理の導入」の論rがある

・1989年 消費税増税とともに、ゴールドプランが出され、1997年の介護保険法など。

・2005年 介護保険法改正:要介護・要支援に区分され、要介護者の発生予防が重要とされた

 

 

年金改革

 

・2003年に厚生労働省が提示した内容

①社会経済と調和した持続可能な制度とする、②制度に対する信頼を確保する、③多様な働き方に対応し、より多くのものが能力を発揮できる社会に繋がる制度とする、④個人のライフコースに対して中立な制度とする

 

・2005年からは若年者納付猶予制度が導入された



 

グローバル化・分権化時代における福祉政策の展望

 

貧困問題と生活保障システムの再構築

 

新しい社会的リスクの発生 → 雇用が第三次産業中心、女性の労働市場参画が拡大、家族形成の不安定化 などに対する社会的対応のリスク

・例えば、仕事と家族生活が調和しない、ひとり親、高齢や障害による要介護、非正規労働などの社会保障からの排除

 

・先進国では、社会的排除に対応する社会的包摂中心の戦略がとられている

 

・日本はOECDの中でもひとり親世帯の貧困率が高い

・加えて日本では、所得再分配前よりも所得再分配後に貧困率が上昇する

↑これやばくない!?!?!?!?再分配が金持ちのためになっているってことでしょ!?!?!?!

 

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