経済学 経済政策

現代の経済政策テスト対策ノート13 労働政策

投稿日:2019年9月30日 更新日:

現代の経済政策 田代洋一・萩原伸次郎・金澤史男

試験対策ノート

今日は 労働政策 について

 

労働政策



第一部 労働政策の特徴

 

労働者の権利

 

・日本国憲法第27条第一項では労働の権利と義務を規定

・さらに、第二項では労働条件の基準を法律により定めることを規定している

・これにより、労働基準法、労働安全衛生法が立法されている

 

・第28条では、労働者の権利が保護され、団結権・団体交渉権・争議権が規定されている。

 

・労働基準法では、労働条件の労使対等決定、均等待遇、強瀬労働の禁止などが規定されている

・しかし、男女間の待遇は実現されず、十分な休暇も取得できず、長時間労働による過労死、過労自殺が後を絶たない

 

労働力商品の特殊性と労働政策の必要性

 

労働政策とは:安定的な資本蓄積に必要な労働力の供給基盤を提供するとともに、資本制生産の根底を成す労使間の利害対立を調整し、労働者の権利を守るための一連の政策を指す。

 

・労働政策の主な機能は、以下の通り

①労働力保全機能:資本制生産に必要な質を備えた労働者を必要な量だけ確保するための政策。技術形成や過度な消耗を防ぐこと。
②階級融和機能:安定的な労使関係構築のための政策
③雇用安定機能:失業を防止したり、減少させたりする機能

 

・労働政策が必要な理由は、雇用主はより低い賃金で、労働者はより高い賃金を求めて、利害対立が生じるから

 

・利害対立の調整では、労働者は不利な立場にある

 

労働政策の歴史的展開

 

・資本制生産が確立する中で、生産手段を持たない労働者(無産階級)が成立する

・人々はすぐに順応できず、浮浪者となった

・これらを暴力的に取り締まった代表が、1601年イギリスの救貧法



・18世紀産業革命を経て、労働需要拡大

・1833年 工場法が成立

 

・19世紀ドイツでは健康保険・労災保険・老齢年金が導入された

 

・19世紀末には長期の大不況が発生し、貧困の原因が怠惰や浮浪といった個人的な問題ではなく、主として社会的要因であることが明らかにされ、貧困観の転換期となった

・1929年の世界恐慌はニューディール政策を実施した。

 

現代の労働政策

 

・1945年以降、団体交渉を通じて生産性上昇の成果を賃金上昇という形で獲得する「融和体制」が形成され、大量生産・大量消費の経済成長が実現した。

 

・しかし、1970年代以降、生産性上昇率が低下

・各国はスタグフレーションに悩まされてた。

 

・1970年代末以降、新自由主義が台頭し、規制緩和などが追及された。

 

 

1980年代半ば以降の労働政策の展開

 

男女平等化政策と性別役割分業

 

・1985年 男女雇用機会均等法が成立

・しかし、「総合職」・「一般職」の区分により事実上の性別分業構造が維持された

 

・一方で、女子保護規定が緩和され、深夜残業や休日出勤が容認された

・女子保護規定の緩和は、雇用の平等としては合理性を持つが、男性も含めた労働時間の短縮がされない限り男女の働き方を見直すものではなく、女性が男性並みに働く条件を整えたに過ぎない。

・職場における男女平等は、主として女性が家庭内の無償労働を担っているという問題を抜きには語れない

 

・職場の男女平等実現にとって障害となるもう一つは、男性労働者の働きすぎにある

 

過労死と労働時間の短縮

 

・日本の労働時間短縮には外圧があった

・対米貿易摩擦の要因は長時間労働として、内需主導型経済を目指して自由時間の増加が提案された

 

・三六協定の存在が長時間労働を容認している

・時間外労働も2割5分増しとアメリカの法定割増賃金率50%に遠く及ばない



・2001年 厚生労働省がサービス残業の取り締まりに動く

・同年 ホワイトカラーエグゼンプション制度導入が検討される

 

移住労働者の導入

 

・1988年 「専門的・技術的」職業の労働者の受け入れは認め、単純労働者は慎重に対応する立場をとった

・一方で、日本人の配偶者、定住者に対して制限のない在留資格を認め、日系人2世、3世の就労を可能にした

・同じく、外国人研修制度が整備された

 

労働政策の規制緩和とワーキングプアの再発見

 

バブル崩壊と労働政策の転換

 

・1995年 規制緩和の一環として労働者派遣法が制定される

・1999年までに対象業務が拡大され、一部を除いて解禁

・これにより、労働者派遣事業は、高い専門性の労働調整ではなく、不安定雇用を助長させた

 

・2003年 労働基準法改正により、労働者の解雇が雇用主に認められた。

・日本では、労働者保護のために、判例により一定の制限があった(解雇権濫用の法理

・結果的には、権利濫用を認めない法律として、2007年の労働契約法に引き継がれた

 

格差・貧困の拡大とワーキングプアの再発見

 

・非正規雇用の拡大、新卒採用の抑制が広がった

 

・若者ニートも増加した

・2004年 これに対して、「若者自立・挑戦プラン」を策定した

・キャリア教育の推進、日本版デュアル・システム(企業での実習しながら職業学校で学ぶ二元的職業訓練)、若者向けワンストップ・サービスセンターなど

 

・不況は中高年にも大きな影響を与えた

 

・フリーター漂流、日雇い派遣、ネカフェ難民など不安定な生活が増加

 

・様々な形態の働く貧困層:ワーキングプアが「発見」された

 

ワーキングプア対策の展開

 

住居喪失不安定就労者に住宅資金の貸し付け・職業紹介をする、「住居喪失不安定就労者支援センター」が東京・大阪などで開設された

・また、雇用保険のない求職者に職業訓練中の生活費を貸し付ける、「訓練期間中の生活保障給付制度」が開始された

 

・雇用の非正規化問題の解決には、、①非正規雇用の正規雇用条件達成、②賃金全体を引き揚げする方法がある



①非正規雇用の正規雇用条件の達成

・前者では、パートタイム労働法(1993)があげられる
・これは、パートタイム労働者の適正な労働条件の確保、福祉の増進を図った
・2007年 改正 1)職務内容・人材活用・契約期間が世紀と同じ場合同待遇とする、2)職務内容・人材活用が同じ場合同一賃金とする、3)それ以外の場合、均衡待遇とする努力義務

②賃金全体を引き上げ

・最低賃金法
・最低賃金が生活保護水準以下であることが、「逆転現象」として問題視された
・2007年 改正 労働者の生計費を担保する額に決定

 

少子高齢化の進展と労働力の確保

 

・労働力の確保として、女性労働者の増加が目指された

・加えて高齢者雇用の拡大(定年引上げ、継続雇用)

 

・海外労働者の導入

・看護・介護分野への受け入れが開始

・国家試験に合格すれば引き続き就労が認められたが、日本語が難しく合格者は(500人中3人程度)

 

・技能実習によるが導入される

 

 

 

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