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現代の経済政策テスト対策ノート16 グローバル化と途上国開発政策

投稿日:2019年10月1日 更新日:

現代の経済政策 田代洋一・萩原伸次郎・金澤史男

試験対策ノート

今日は グローバル化と途上国開発政策 について

 

グローバル化と途上国開発政策



 

「途上国開発政策」論の目的と課題

国連ミレニアム開発目標(MDGs)

 

・グローバル化は途上国にどのような影響を与えたのか?

・一般的にはプラス・マイナス両面あるが未達成の課題が多い

 

・国連は2000年に大規模な貧困撲滅計画を打ち出した。すなわちミレニアム開発目標MDGs

・目標は、①極度の貧困の半減と飢餓の撲滅、②普遍的初等教育の達成、③ジェンダー平等の推進と女性の地位向上、④幼児死亡率の削減、⑤妊産婦の健康の改善、⑥HIV/エイズ、マラリア、その他疾病の蔓延防止、⑦環境の持続可能性の確保、⑧開発のためのグローバル・パートバーシップの発展

・目標達成年は2015年と設定された

 

・2010年 国連MDGsサミットが開催され、中間評価がなされた。

・2015年目標達成は不可能に近いが、どう評価すべきか、最後に論じる

 

途上国開発政策の目的 貧困撲滅・環境保全・人間開発

 

・貧困者には所得や雇用機会の問題以外に、インフラや行政サービスが欠如している、安全が確保されていない、といった事情がある

 

・貧困撲滅は最重要課題だが、経済成長により貧富の拡大、環境破壊など無視できるものではない

・また、物質的な豊かさだけではなく、社会参加を通じた精神的強さを養うといった課題もある

・つまり、途上国開発政策は貧困撲滅環境保全人間開発の3つが重要である

 

・途上国では貧困の掘り起こしも必要といえる

・これは、マスメディアや学術研究で報道・報告されずに埋もれている可能性があるもの。

 

途上国はどこか 帝国主義と植民地

 

・現代にも影響する植民地形成時代には、①近代前夜の絶対主義の時代、②近代資本主義の初期、③独占資本主義段階にかけての時期、④冷戦期、⑤冷戦後のグローバル資本主義

 


①絶対主義の時代

 

・植民地はアフリカ・ラテンアメリカなどの遠方国。人的資源はアフリカから奴隷が連れ出された。

 


②近代資本主義の時代

 

・途上国側に資本主義が移植されていく過程

・途上国の伝統的・安定的・封建的秩序体系が崩壊し、近代的市場システムが作られていく時代だった

 

・自由貿易体制をとったが、それは宗主国に有利で途上国の工業化の機会を奪った

 


③独占資本主義段階

 

・第一次世界大戦・第二次世界大戦により、戦場となった途上国は破壊・後輩

 

途上国の独立 植民地の終焉

 

・現在は植民地国は基本的にない

・ただし、帝国主義や植民地主義の負の遺産は根強く残っており、例えばブラジルではポルトガルが始めた大土地所有が残っている。それによる貧富の差は大きい。

・また軍事的・経済的な支配が残存していることもある。アメリカによるベトナム戦争やニカラグアへの介入など。

 

グローバル化と南北の対立

 

貧困問題の捉え方

 

・ここでは貧困を単にカロリー不足の状況を指すのみならず、人々が困窮している状態全般を指す

・アマルティア・センの言うところの潜在能力の欠如を指す

 

・ただし、近年ではBOP市場(Base of Pyramid)という考え方が広がっている

・これは貧困者階級には数十億の人口があり、販売方法を工夫すれば巨大なマーケットになるということ

・ビジネスの発想であるが、安価に商品を届けることで貢献してきた側面もある

・CSR活動の一環として取り組んでいる企業も多く、他国に比べCSRに弱い日本企業はBOP市場で立ち遅れている

 

数値での比較

 

・経済貼っての尺度として一人当たりGNP(国民総生産)やGNI(国民総所得)が用いられることがある

 

・世界銀行が毎年発表する世界開発報告(WDR)では、1人当たりGNIを基準に、低・中・高所得経済の3グループに大別している

・この時世銀アトラス方式で各国通貨は米ドルに換算される

 

人間開発指数:出生時平均余命、成人識字率、就学年数、および一人当たりGNIを統合した数値

 

新興国の台頭

 

・新興国の台頭により、南北問題から南南問題も発生

 

WTOのドーハ開発アジェンダ

 

・ウルグアイ・ラウンドまでは自由貿易体制から発展途上国が除外されていた。すなわち、関税による国内市場保護が認められていた

・ウルグアイ・ラウンドで途上国が参加することにより、工業分野での開放が進み先進国に有利になる一方、農業分野での開放が進むというマイナスの面もあった

 

開発理論の変遷

 

第二次大戦の開発論

 

・第二次大戦後、開発経済学が盛んになるが、特に50年代の理論は初期開発経済学と呼ばれる

・ハーシュマンは前方・後方連関効果不均整成長などの概念で、ヌルセクの均整成長論を批判した。鉄鋼や石油など、特定の産業を成長させてから他の産業に波及させるべき。一斉に均等に成長させることはできないとした。

 

ルイス・モデルフェイ=レイニス・モデルは都市化・工業化理論で有名

・農村から限界労働生産力ゼロの世j労働者が農業生産性の控除を前提として無制限に都市に供給され、年の工業部門に動員され生産活動に従事する過程で生じた生産者余剰が次期の生産に再投資されて工業生産性が増進し、経済成長が進むとされた。

・しかし、このモデルは現実と合わないと批判された

ハリス=トダロ・モデルは都市部の高所得を「期待して」離村・都市移住を決めるというもの。

 

新自由主義の経済学の興隆とPWCへの転換

 

・1980年代に入ると新自由主義の影響を強く受けた開発戦略が登場し、それは後にワシントン・コンセンサス(WC)と呼ばれる

・WCは民営化、規制緩和、貿易自由化、行政合理化を指し、経済のグローバル化を推進した

・具体的には構造調整政策(SAP)の形がとられ、小さな政府が目指された

 

・しかし、南北問題はさらに深刻化し、SAP戦略の失敗が明白となった

 

・これを反省にPWC(ポスト・ワシントン・コンセンサス)が台頭する

・これは3つの要素をこれから見ていく

①人間開発や社会開発を重視する考え方
②環境保全を重視する考え方
③制度改善を重視する考え方

 

人間開発論

 

・アマルティア・センによる提唱。潜在能力

・お金より大事なものを経済学の専門の立場から考究している

・「やりたいことをする、ありたい状態にする」ことを機能と呼び、その集合を潜在能力としている

 

・一人一人の潜在能力を高めることが貧困克服であり、開発だという

 

イノベーティブな政府への胎動

 

・小さな政府の痛みが大きく方向転換したっ国も多い

・中南米では社会民主主義的な政策志向性を有する政権が多く誕生した

 

・中南米全体で普及した貧困家庭を対象とする現金給付制度(CCT)を見てみる

・これは、子供の就学とワクチンの接種を受給条件とした給付制度

・これは貧困緩和に寄与した

・児童労働からの収入減が親の就労を促進し、就労インセンティブを組み込んだ制度であった

・この点で負の所得税を付与した控除もある

 

弱い国家・崩壊国家

 

・国家は支配階級が被支配階級を支配するための道具という説がある

・一方、地方で国家には一定の相対的自立性が認められる

・司法による国家の監視が重要になる

 

 

 

 

 

 

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