ミクロ経済 経済学

ミクロ経済学の力のまとめ6 ゲーム理論入門

投稿日:2019年11月29日 更新日:

同時手番のゲームとナッシュ均衡

 

一番単純な同時手番から検討する



ゲームとは

 

ゲームは次の3つの項目からなる

プレイヤー:1,2,…,N

戦略:a1,a2,…,am

利得:gi(a1,…,aN)

 

ナッシュ均衡とその実例

 

ナッシュ均衡:自分一人だけが戦略を変えても得をしない状態。お互いの戦略が最適反応になっている状態。

 

以下4つの例で見ていく

囚人のジレンマ

囚人のジレンマ

割愛。相手が何をやっても、自分は告白する方が得。

ここからリニエンシー制度が生まれ日本でも活用されている。

 

技術の選択

他人が多く使っている方を選ぶと、得する。ネットワーク外部性の説明。例えば、LINEをみんな使うなど。

逆にこれは、ひとたび社会全体が悪い方に均衡にはまると、個人の力だけではなかなかそこから抜け出すことができないことを表している。

 

立地ゲーム

 

屋台A,Bがある。

両者は遠すぎると相手の客を取れないが、近すぎると半分ずつになってしまう。

この時に最適な戦略はお互いのちょうどど真ん中に両者がいること。

 

これは現実に二大政党のマニュフェストが有権者の好みのちょうど真ん中を狙ったものに似通ってしまうことを予測している。

これを中位投票者の定理と呼ぶ

 

道路交通ゲーム

 

A市からB市までは3つのルートがあるが、各ルートは距離と混雑度によって決まるとする。

距離は①25km,②20km,③35kmとすると、150台の車が通る時どうなるか。

 

答え)

距離+混雑度(通行する台数÷10)と設定すると、それぞれ、

①50台(25+50÷10)=30

②100台(20+100÷10)=30

③0台(35+0)=35

となる。つまりどこのルートを通っても節約できないナッシュ均衡は上の通りである。

 

この予測をもとに道路交通量予測に応用されている。

 

ナッシュ均衡が実現する理由

 

なぜナッシュ均衡に従って行動するのか。どのケースも以下に当てはまるという

①合理的推論の結果、ナッシュ均衡に行きつく

②試行錯誤の末、ナッシュ均衡に行き空く

③話し合いの結果、ナッシュ均衡に行きつく

 

社会科学の大きな目的の一つは、このような定型化された事実を説明することにある。

↑突然放り込みましたが、非常にいい言葉だったので抜粋。P331。



寡占への応用

 

寡占市場について分析する

数量競争 クールノー・モデル

 

2つの企業が存在するとき(複占

P=a-bQの需要曲線で、限界費用cを持つ2つの企業がある。

この時企業1の利潤π1は

π1= {a-b(q1+q2)-c}q1 …①

 

①はq1の二次関数なので、上に凸の放物線を描く。

従って、最適反応は

dπ1 / dq1 = 0

である。

これと同様に企業2も解くと、ナッシュ均衡の条件は

 

ナッシュ均衡の条件(クールノー・ナッシュ均衡)

dπ1 / dq1 = a-2bq1-bq2-c=0

dπ2 / dq2 = a-2bq2-bq1-c=0

これを解いて

q1=q2=(a-c)/3b

 

価格競争 ベルトラン・モデル

 

同様に、2つの企業が存在するとき(複占)

P=a-bQの需要曲線で、限界費用cを持つ2つの企業がある。

今度は価格p1、p2を決定する場合を考える。

 

ベルトラン・モデルのナッシュ均衡

この場合は

p1=p2=c、利潤ゼロとなる

 

不確実性と期待効用

 

不確実性が重要になる例

環境の変動:天候、株価、為替レートなど企業や消費者を取り巻く環境はランダムに変動することが多い

相手の出方が正確には予測できないとき:相手がどんな行動をどのような確率で取ってくるかを考える必要がある

情報の非対称性があるとき:相手はどんな情報をどんな確率で持っているのかを考える必要がある

 


例)「半々の確率で1000円と3000円がもらえるくじ」とこのくじの期待値「2000円が各自にもらえること」どちらがよいか?期待値は同じだが、

危機回避的:くじを引くより、2000円もらった方がいい

危機愛好的:くじを引いて3000円を狙った方がいい

危機中立的:どっちでもよい(無差別)


 

 

ゲーム理論における利得とはなにか

・不確実性が問題にならないとき:数字はなんでもよい(0と1でよい)

・不確実性が問題になる時:プレイヤーの危険対する態度を表すように数字を当てはめる(ノイマン・モルゲンシュテルンの効用関数

※収入が大きい方が効用が大きいときは、0と1では表しきれない



混合戦略均衡とナッシュ均衡の存在

 

例)じゃんけん

・じゃんけんでは、何を出しても最適になる

・つまり、グー・チョキ・パーを1/3の確率で出すちうのはお互いに最適反応しあっている

 

混合戦略:プレイヤーがランダムに行動をとるナッシュ均衡の一つ。上のじゃんけんの例。また上記例ではグー・チョキ・パーを純粋戦略という。一方、お互いが最適反応になるよう混合戦略を取り合っている状況を混合戦略均衡と呼ぶ。

 

ナッシュの定理(ナッシュ均衡の存在):プレイヤー数と純粋戦略数がともに有限ならば、どんなゲームにも必ずナッシュ均衡が存在する。

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