神取道宏 ミクロ経済学の力 で ミクロ経済学の基礎 を復習します。
今日は 時間を通じたゲーム を復習。
この本はひじょ~にわかりやすいので、社会人にもおすすめできます。
有名大学の教科書にも指定されているので、スマホで見れる復習ノート的な使い方もしてみてはどうでしょうか。
セットでこちらも
時間を通じたゲーム 基礎の基礎
展開型ゲーム とは
展開型ゲーム:時間を通じたゲームは「ゲームの木」(後述)で表現できる。これを展開型という。
例)銀行の破綻処理
下図にまとめたものを文字化すると、
・銀行がまじめにやれば、銀行はそこそこ儲かり、政府は大変得をする(1,10)
・銀行が乱脈経営をすると政府の出番が来る
・政府は救済すれば銀行は大変得をするが、政府の利得は銀行がまじめにやった時より悪い(2,1)
・政府が銀行を救済しないと銀行も政府も悪い(-1,-1)
このとき、銀行の行動を決めるためには、先に政府の行動を分析する必要がある。
政府は救済を選ぶはずなので、銀行は乱脈経営すること最適行動となる。
この例からわかるように、時間を通じたゲームはゲームを後ろから解くとよい。
一方ここで、もう一つのナッシュ均衡がある。
これは、(真面目な経営,政府が見放す)である。
つまり、政府が見放すと計画しておけば、銀行は真面目に経営せざるを得ないので利得は変わらない → 「ハッタリ」である
まとめ
・時間を通じたゲームを展開型ゲームという
・時間を通じたゲームの戦略は条件付きの行動計画のことである
・時間を通じたゲームもナッシュ均衡を使って分析できる
・しかし、ナッシュ均衡には信頼性のない脅し(はったり)がきいた、非現実的なものも含まれる
・信頼性のない脅しを排除して現実的な均衡を求めるにはゲームを後ろから解けばよい。
上の例で政府の救済・見放すの行動を部分ゲームという。そして後ろから解いて得られるものを部分ゲーム完全均衡という。
部分ゲーム完全均衡
銀行の例でも、展開型では、分岐点と枝からせいりつしている。
この枝の部分はプレイヤーの行動を表している。
点にあたる部分の集合は情報集合という
時間を通じたゲームにおける戦略とは、「何が起こったらこうする」をすべて定めた条件付きの行動計画のこと
ここで、時間tにおいて、プレイヤーiが行動Xi(t)をとる時、
時間を通じたゲームの戦略は、
Xi(t) = Si (iがt時点までに観察したものすべて)
という、「過去に自分が観察したものの歴史」から「自分の今期の行動」への関数Siのことである。
部分ゲーム完全均衡とは
定義:時間を通じたゲームのナッシュ均衡の中で、全ての部分ゲームにナッシュ均衡をもたらすものを部分ゲーム完全均衡という。
これをもっと具体化すると、以下の3つの条件を満たすこと
①1つの分岐点から始まる
②その後に来る分岐点と枝をすべて含む
③情報集合が外にはみ出していない