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開発経済学の基礎 2 途上国が直面している問題とメカニズム

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モンテです。今日は 途上国が直面している問題とメカニズム をご紹介します。

 



 

参考はこちら

 

 

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開発経済学の基礎 1 貧困削減へのアプローチ

 

途上国が直面している問題とメカニズム

 

この記事では大きく

・零細自営業者や小農の経済学について

・途上国の信用市場について

・賃金と人的資本という労働経済学で重視される変数が、途上国の貧困メカニズムを説明する上でどのように分析できるかについて

・貧困の罠が実現するメカニズムと、そこからの脱却がいかにして可能であるかについて

を取り扱います。

 

数学的な説明はブログで書くのは大変なので、できるだけ日本語で書くようにしています。

逆に理解が進んで使いやすいんじゃないかと信じています。

 

では、さっそく。



零細自営業者や小農の経済学

 

リキシャ引きのミクロモデル

 

・ここではバングラデシュのリキシャ引きを例にとります。

リキシャってこういうの。人力車と発音が似てるのは偶然なのかな。

 

生産関数

・労働時間が少ないうちは、需要の大きい時間に働くので賃金も高い

・しかし、労働時間が増えると、稼ぎの悪い場所や時間帯も働いているので稼ぎは下がることとなる

・つまり限界生産性が逓減する

 

消費と余暇の無差別曲線

・余暇時間が多い方が効用は大きく

・消費量が多い方が効用が大きい

 

さて、この時、消費支出はどう決まるのか

・これは (所得) – (固定費用) できまる。

 

ハウスホールド・モデルによるアプローチ

 

・結論から言うと、上記2つのグラフが接するときに効用が最大となる

→もうこのグラフの説明は、教科書見てもらった方が早い。書店か図書館へGO!

 

・ミクロ経済学によくある、限界代替率と限界生産性が一致するときと言える。

・このような均衡を主体均衡と呼ぶ

・また、その時の賃金をシャドー賃金(主体均衡価格)と呼ぶ

 

さて、ここまではミクロの基礎と同じ内容。

では、なぜ数理モデルで説明するのか。それは外部変化に対する反応という観点から分析するためである。

 

市場需要変化の影響

 

・ここで、労働需要が減少したとする。(リキシャに乗る人が減少した)

・このときハウスホールド・モデル上は、労働時間が増加する

 

・通常の企業は、生産物価格が減少すると、労働投入量を減らし、生産を減少させる

・つまり逆の現象が生じている

 

賃労働市場との関係と人的資本

 

・賃金労働の方が給料がそちらに動く可能性はある

・しかし、賃労働は高嶺の花なので、リキシャをしながら教育を受けるなどを行うことがある

 

小農の賃労働市場への関わり

 

・今までは賃労働者として働くか、リキシャ(自営)として働くかの2択だったが、ここでは自営業が人手が足りないときに外部から雇う。または逆に人が多い時には外部に働きに出すことを考えることができる

 

途上国の信用市場

 

ここからは、

途上国では信用取引がどう取り扱われていくのか見ていきます。



信用の経済的役割① 生産資金の調達

 

・貧困状態では手持ちのお金が少ないので最適な生産力になるように、コストを払うことができない

・その結果非効率的な点で妥協することになる

 

・これらの社会的非効率を弱め、小生産者の手元に残る利潤を高めるのが生産信用である。

・つまり低い利子で借金して効率点までもっていってあげれば最終的には最大利益を得ることができるということ

・この信用は信用市場によって、異時点間資源配分を効率化する機能を持つ

・信用市場から十分に資金を調達できない場合、その上限を信用制約と呼ぶ。

 

信用の経済的役割② 消費の平準化

 

・貧困国において一時的な消費の落ち込みは飢餓を意味するので、平均的に消費ができる方が好ましい

・現在の手持ちを増やすことで、同じ予算制約線の中で、効用をより多く得ることができるようになる

 

 

信用の経済的役割③ 消費平準化を通じた生産投資推進

 

・基本的には①と②の合わせ技

・将来の生産にリスクがあり、生産者がリスク回避的にもかかわらず、消費平準化のための信用を得ることができないとなおさら現時点での思い切った投資ができなくなる。

・将来の不測の事態に備えて現時点での支出を減らすことは、予備的動機による貯蓄と呼ばれる

 

これって、教育にも言えることで、貧困国だけでなく現代日本(え、貧困国?)にも言えると思いました。

大学に行けば給料上がるけど行かせるお金がない。的な。

 

ミクロの信用制約とマクロ経済

 

・このように信用制約があるとマクロ経済のパフォーマンスは悪化してしまう

 

・ここで2つの議論

  1. 信用市場は個人の能力が高い場合、有利にビジネスできるので資金需要が高い
  2. 信用市場は個人の能力が高い場合、設立費用が低くても有利な投資ができるので資金需要は低い

 

・ここで重要なのは、この2つの議論は対照的なのに

経済成長が不平等度合いを上昇を伴う、と結論を得た。

 

・たまたま十分な資産と自営能力を持ったら、さらに蓄積することができるから。

・つまり、信用制約の存在は、最適なマクロ経済成長よりも成長率を下げるのみでなく、不平等度を拡大する

 

途上国の信用市場の特徴

 

インフォーマル金融(友人・親族・頼母子講など)が活用されている

 

・またモラルハザードや債務不履行などの問題もある

 

・したがって、安価で効率的な信用へのアクセスを保証することは1つの有効な貧困削減政策であり、かつマクロ成長促進政策でもありうる

・この試みの一つがマイクロクレジット

 

…なんかここまで来て、ウシジマくんの1巻が似たようなことやってるなと思い出してしまった。

そうか、貧困の経済学は先進国の貧困層にも当てはまるのか。

 

 

貧困層の賃金はなぜ低いままなのか

 

貧困国の労働者の行動や賃金決定メカニズムを見ていく

 

賃金の決定要因

 

・最も基本的なものは労働者の労働生産性である

 

・逆に、賃金が労働生産性の決定要因となることもある

例)労働者の運動能力は栄養摂取量に依存する、など

 

・このことを説明するために、労働投入にのみ着目する

・労働投入=(時間×人数)だけではなく、努力(労働効率)を含み実行労働投入とする。

 

・この努力というのは、雇用主が賃金によって決定できるものと考えるため、一番最適な賃金(効率賃金)を選択する必要がある

効率賃金以下で労働者が働くと申し出ても、最適なパフォーマンスを出せないので、雇用主は拒否するのである

・賃金水準が労働効率に影響を与えるとする仮説は効率賃金仮説という。

 

・これにより賃金の下方硬直性と長期的な失業の存在というものが説明できるようになった

 

児童労働と人的投資

 

・低所得・児童労働蔓延の低位均衡と、高所得・児童労働なしの高位均衡との複数均衡の問題がありうる

 

・児童労働により成人の賃金も下がるため、ますます低位で安定してしまう。

 

・これを防ぐには単に児童労働を禁止するのではだめ。奨学金を出すというバングラデシュの事例あり。



貧困の罠からの脱出

 

この章では、貧困の罠中心国の罠を主に扱う

 

どうしたら脱出できるのか

 

・「小さい需要=少ない生産=収穫一定技術」から「大きい総需要=多い生産量=収穫逓増技術」へ転換する必要がある。

 

収穫一定技術:生産量に関わらず生産力は変わらないもの

収穫逓増技術規模の経済が働くもの

 

ビッグ・プッシュ:経済を低位均衡から高位均衡へ移す元となった体系外からの刺激。

例)政府支出など

 

自己実現的予言:実際には経済への影響がなくとも、人々の期待によって経済が変化するような予言・推測など

 

 

 

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