現代企業を歴史的にとらえる経営史。今日はその中の 企業経営を支える制度 についてみていきます。
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基礎の基礎レベルなので、学部入学したての方や社会人の方にもなじみやすい内容になっています。
参考はこちらの本。カラーで読みやすいのでおすすめ。
「コア・テキスト 経営史」 粕谷誠 新世社
この章は組織の変遷や公認会計士制度の話などが多く、他の記事でも扱っているため少し省略が多いです。
すみません。
財務会計の方なんかを見てもらえると助かります。↓↓
企業経営を支える制度
多角化と垂直統合
多角化の要因
①範囲の経済 … 製品AとBを一緒に生産した方がコストが低くなる。シナジーと呼ばれることも多い。
②内部資本市場 … 効率的に情報や資金を内部でやり取りすることが可能になる
③エージェンシー問題 … 経営者が株主ではなく個人の名声などのために多角化する。非関連多角化も行われる。
④共同負債 … 多角化すると倒産のリスクが減る
⑤市場支配力 … 市場Aの収益をBにつぎ込むことで、Bの競争相手を駆逐する
垂直統合
垂直統合 … 多角化と混同されがちだが、区別が必要。取引コストが大きいときに傘下においてコストを下げる。
企業統治
日本への会社制度の導入
・江戸時代にも三井家同族による共同出資や、近江商人などによる血縁関係のない共同出資がみられたが、有限責任という概念はなかった。
・国立銀行条例により、立法整備された。ほかにも日本銀行や日本郵船などが特許主義に基づき許可された。
企業会計と企業金融
会計制度の導入
・江戸時代から三井家や鴻池家の大商人において複式決算がおこわなれていたが、その手法は秘密とされていた。
・明治維新後に西洋から複式簿記が導入された。
企業グループ
財閥の形成
・韓国のチェボルなど
・英米はピラミッド型企業グループがみられない、珍しい例
・官業払い下げは日本の財閥形成に寄与したと考えられるが、それだけでは説明できない。企業努力など重要な要素がある。
・三菱は海運業保護を政府に受けたが、あまりの優位にヘイトを集めた
・「反三菱キャンペーン」により、日本郵船に移行し、のちに売却。多角化の道を探す。
・反三菱キャンペーンは政治的影響力が強すぎると政府から疎まれるリスクがあるという、政府との距離の難しさを示す事例
第一次世界大戦期の拡大と株式公開
・第一次世界大戦のブームにより、久原・浅野・鈴木は多角化に積極的だった
・久原、鈴木、川崎・松方などは大正財閥と呼ばれる
財閥解体・企業集団の形成
・戦後、持株会社整理委員会を通じて、財閥の株式は売却された
・個人株主が増加した結果、乗っ取りの可能性が増加した。
・この対策のために、相互持合が発生した
・こうして銀行を中心に六大企業集団が形成された(三井、三菱、住友、三和、第一勧銀、芙蓉)
垂直的企業系列
・自動車を中心に融資など長期的関係を垂直的に持つ、系列関係がみられる